■どういった問題を解決しようとしているのか
「今日の飲み会はどこにしようか」といった時に使うグルメ情報は、今やウェブで検索する人が大多数である。その際、利用されるグルメ情報検索サイトは「ぐるなび」や「ホットペッパー」など大手サイトである。また、ユーザの評価を見て大多数の人が良いといっている店に行きたいと考える人は「食べログ」を見てお店を決めることになる。さらに「顔の見える友達がオススメする店の情報こそ信用できる」と思う人は行ったお店を友達同士紹介し合うサービスRettyやFacebook, foursquare上で友達が紹介しているお店に行くことになるだろう。
しかし例えば旅行で行った初めての土地で本当に自分のピッタリの夕食を探すとしたらどうするだろうか。日本人大多数の人と同じセンスを持つ人ならば「食べログ」を見ればよいが大抵は「自分にピッタリ」でない場合が多い。また、初めての土地は当然友達などいないため友達同士が紹介し合うサービスは使えない。
また、「大多数の人が良いと行ってるから自分の口にも合うはず」や「友達がおいしいといってるから自分もおいしいと思うはず」という現状多くのサービスが行うリコメンデーションのアプローチは、必ずしもユーザにピッタリのリコメンデーションを提供できているわけではない。もっと精度の高いアプローチはないのだろうか?
■どのようなサービスなのか
ALFREDは、ユーザが検索条件を入れなくてもユーザの趣向に合わせてレストランやアクティビティを選び出しオススメしてくれるサービスである。ALFREDは、ユーザが選択する行動からユーザが何を好むのかを学習していく。
ALFREDはインストール直後に短い質問をいくつかユーザに投げかける。さらにユーザは、あるレストランや色々な場所にいく度にその場所がよかったかどうかなどの情報をALFREDに教えていくことにより、ユーザがどのような趣向を持つのかをALFREDは学んでいく。そして、ユーザがある場所で何をすべきかALFREDに問うと、ALFREDは今までの学習結果とウェブ上にあるグルメやエンターテイメントの情報からユーザにとって良いと思われるリストを答える。
他のグルメリコメンデーションサイトとの大きな違いであり競争優位性はこのユーザの趣向を学習するアルゴリズムにある。
他のグルメリコメンデーションサイトは、コラボレーティブフィルタリングと呼ばれる手法を用いてリコメンデーションを作成する。コラボレーティブフィルタリングはそのユーザと似ているユーザのデータを元にユーザの趣向を予想する方法だ。これに対し、ALFREDは、モデルベース学習と呼ばれる手法を用いている。これはそれぞれ各ユーザごとにリコメンデーションのセットを構築する方法である。モデルベース学習は、例えると「あなたが何を好きかやあなたの事を良く知っている旧知の友人」のように振る舞う。このモデルベール学習を使ってクオリティの高いリコメンデーションを出すために、ALFREDは非常に多くのインテレストグラフの情報をウェブ上から収集し保持している。この収集したインテレストグラフを元にリコメンデーションを構築する。
本ブログで紹介したHunchやi.ntere.stなどインテレストグラフ、テイストグラフを元にユーザの趣向を読み解くサービスはこれからの1つの流れになるんだろうなあと思いました。
■現状
2011/12/14にGoogleにより買収された。
■参考
0 件のコメント:
コメントを投稿