■どういった問題を解決しようとしているのか
旅行の情報をウェブ上で検索する人は多い。ウェブ上の旅行情報は非常に多い。様々な旅行情報サイトがあり、様々なレコメンドやレビューが存在する。あまりの情報量に結局どこがよいのかわからなくなってしまうことも多い。comScore.comによると、旅行を計画する人は平均的に12の旅行に関する検索を行い、22のウェブサイトを閲覧、計画を始めてから購入に至るまで29日もかかるそうだ。
旅行者は、旅行を計画する前からある程度、どのような旅行か決まっていることも多い。例えば、家族旅行であればどこ行くかを決める前に「家族で楽しめる場所」という前提条件がつく。ならば、始めから「家族で楽しめる場所」の情報のみを効率良く見たい。
■どのようなサービスなのか
uptakeは、世の中の有名な旅行情報サイトから情報を取得し、統合した旅行情報総合検索サイトである。情報の取得元はYahoo Travel, Trip Advisorを含む1000以上のサイトから40万以上のホテルやアクティビティ情報を取得している。
これらの情報をセマンティック分析し、ユーザが知りたい情報に効率良くたどり着けるような検索エンジンを提供している。
例えば、ラスべガスに家族で行くとしよう。「家族で楽しめる」場所のランキングが欲しいところだ。uptakeでは、このようなあるテーマやアトラクションタイプを検索条件にして、その検索条件の中でのランキングを表示することができる。
具体的なレビュー情報は、リンク先のそれぞれのオリジナルソースのサイト(Yahoo TravelやTrip Advisorなど)で見るようになっている。
上記のようなアトラクション情報だけでなく、ホテルやレストランについても同じようにランキングされており、このサイト1つで旅行に関する全ての情報を取得できる。
また、uptakeは今年ソーシャルQ&A機能をリリースしている。Google Map上の旅行したい場所をクリックすると、その場所に住む自分のFacebookでの友達が表示され、その友達にQ&Aを送信できるというものだ。他のユーザが過去に行ったQ&A情報も一覧として表示される。
旅行する先に友達がいる場合なんて少ない気もするが、もしいた場合は確かに色々聞きたいとは思うかも。
なお、uptakeは、基本検索エンジンなので収益は恐らく広告収入のみと思われる。
■サービス/会社情報
国 | USA |
---|---|
創業 | 2008 |
従業員 | ? |
月間ユニークビジター数 | 993,085 |
月間ユニークビジター増加率(昨年比) | 11% |
投資状況 | 2008/09 : $10M(Series B) |
投資総額 | $14M |
■デモグラフィクス
■市場について
旅行を計画するユーザが使う検索エンジンだが、あまりバッティングする既存サービスが思い浮かばない。結局このサイトで検索した後、Yahoo TravelやTrip Advisor, Expediaなどに飛ぶ訳で、彼らの競合ではないだろうし、検索エンジンで検索したからといって旅行計画が作られるわけではないので旅行代理店や旅行雑誌、旅行情報系サイトのユーザも減る訳ではない。
uptakeは、セマンティック分析を軸にした検索エンジンなので、ソーシャルネットワークのサービスにあるような登録ユーザの確保による競合優位性みたいなものがなく、競合優位性はブランド力とセマンティック分析の技術力になるのだろう。
時代は、なにかとソーシャルグラフであり、友達からのリコメンドを元にしたり自分の趣向を元にパーソナライズされた解析が流行る中、こういったセマンティック分析の検索エンジンがシェアを伸ばしてるということは案外まだまだこういう機械的な解析で新しいサービスを提供できる分野があるんじゃないかと思いました。
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