2012年1月8日日曜日

「授業内容についての質問や議論ができるソーシャルサービス」piazza

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■どういった問題を解決しようとしているのか

Coursekitの記事でも書いたが、大学では講師と生徒、もしくは生徒同士がコミュニケーションを取る場所を求めている。生徒は、授業の内容について講師に質問をしたいが、授業は大人数で行うことが多いため得てしてしづらい。また、授業の疑問点を友達と議論したくても知っている友人がいないこともあるだろうし、なかなかリアルな場所ではする機会がないこともある。講師も本当は、生徒からの様々なレスポンスが欲しいのだが、大人数で授業する以上どうしてもただ伝えるだけの一方的な授業になってしまうのはいたしかたがない。

授業に参加する講師や生徒が授業の内容について質問し、議論できる場所が欲しい。

■どのようなサービスなのか

piazzaは、授業のないように関する疑問や議論したいことなどを投稿し、講師や他の生徒と話し合うソーシャルサービスである。

アメリカのメジャーな大学のクラスで既に使われているようだが、僕はそのクラスには入れないのでトライアル版で試してみる。

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上記がメイン画面である。画面左に投稿された質問が並ぶ。クリックすると右側部分に投稿内容とそれ対する返答が表示される。また、それぞれの投稿にタグを付ける事ができ、このタグによって投稿はカテゴリ分けされる。投稿には、いいね!のボタンやその投稿の進行をフォローするかどうかを選ぶボタンがある。

新しい投稿をする場合は、まず「Question」か「Note」かのどちらかを選択する。Questionは、他の人に回答を要求するものでNoteは回答を要求しないものである。そして、投稿内容とタグを入力すると登録ができる。

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基本的な機能としては以上で、非常にシンプルなサービスである。が、その完成度は非常に高いと思う。以下で、UIとそのレベルの高さについて書く。

■デザイン/技術的な話

まず、驚いたのは全ての機能が画面遷移なしで動くこと。全ての動作がAjaxによる画面の部分レンダリングで進むのでまるでクライアントアプリケーションを使ってるかのようなリッチなインターフェースになっている。一瞬GWT(Google Web Toolkit)を使ってるのかなと思ったが、どうやらjavascriptで全部書いてるっぽい。

他の人が投稿すると、更新ボタンなどを押さなくても即座に画面に反映される。websocketを使ってるのかなと思う。画面上部のナビゲーションバーにある未読の投稿数だけでなく、画面左側の質問一覧もぐりぐり更新されるのはすごい。

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細かなところもしっかり作り込んである印象があり、レベル高いなーと思う。こういったブラウザアプリケーションで一切の画面遷移がなく、全て非同期でがんがん双方向通信していくようなアプリケーションは、Flashのゲームとかを除いて、あまりお目にかかれない。そして、そんな技術を使いながらすごく使いやすいアプリケーションを作っているというのが素晴らしいなと思う。もちろんこういった技術はユーザが直感的に使いやすいようにするために使われるのだが、どこぞのデータベースベンダーのサポートサイトのようにFlash使ってとんでもなく使いづらいサイトにリニューアルしちゃった例もあるわけで、そう簡単ではないんだと思う。

僕もこういうシンプルで機能は少ない(絞ってある)が、レベルの高いアプリケーションを作りたいなあ(もしくは、そういうレベルの高い人と仕事がしたい)と思った。

■サービス/会社情報

URL https://piazza.com
USA
創業 2009
従業員
月間ユニークビジター数 7,405
投資状況 2012/1 : $6M(Series A)
投資総額 $7.5M
(* CrunchBaseより取得)

■日本の市場について

このサービスを作ったきっかけを、CEOのPooja Sankarは、本当は他のメンバーに聞き、議論しないといけない授業で恥ずかしくて聞けなかった過去の経験にあると語っている。授業で積極的に発言する人が多い印象を受けるアメリカでさえ、こういう需要があるのだ。日本は、基本授業で生徒は自発的に発言することはないし、質問を促されてもほとんどの人が手を挙げないのが普通だと思う。だが、授業に関して他の生徒や先生とコミュニケーションが取りたいと思う事は僕の経験上よくあった(特にテスト前とかね^^;)。なので、日本でこういったサービスがユーザに支持される土壌は十分にあると思う。

2010年度の大学生数は、288万7千人で過去最高を更新している。教員数は、16万8千人(2008年度データ)であるとのこと。なので、使用するユーザは全国で300万人前後だ。また、中学生、高校生は、だいたい360万人と340万人とのこと。この範囲もターゲットとして考えるとおよそ1000万人の潜在的なユーザがいることとなる。

マネタイズの方法についてpiazza自体はまだ明らかにしていない。たぶん生徒からは取れないと思うので、授業のレベル向上を狙う大学から頂くか、学生をターゲットとするような塾や、学生向けの出版社などから広告収入をもらうとかかなと想像する。

いずれにせよ、日本の教育を考え直す上でもぜひともあって欲しいサービスだと思う。

2 件のコメント:

  1. これめっちゃいいですね!
    大学で授業持ってなくても使えたりするんでしょうか

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  2. んー、ちょっとわからないですが、サインアップの最初に「Step 1: Select Your School」と大学を選ばせるので、だめっぽい気はします。。。

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