■どういった問題を解決しようとしているのか
以前、skillshareの記事でも紹介したように、学校教育以外の場で様々なことを学びたいという人々は多く存在する。このような学習機会を提供する日本のサービスとしては「ケイコとマナブ」であったり、cyta.jpであったりするのだが、もっと安価で手軽に人から学ぶことはできないのだろうか?ケイコとマナブもしかりcyta.jpもしかりだが、結局何かを受講する時は、先生と生徒お互いの予定を合わせ、受講場所でリアルに会わなければならない。もちろん実際会って直接教えてもらうということは、学ぶ効率の面で大きなメリットがあることは間違いないし、会わないと教えられないことだってある。だが、今の時代はインターネットでビデオチャットだってできるのだ、わざわざ会わなくても遠隔で教えてもらえることだってたくさんあるはずだ。
インターネット上でビデオチャットを通して学ぶというのは、利便性以外にもメリットがある。実際に会えない距離にいる先生から教えを請うことができるという点も1つである。
フィリピン人を講師とするオンライン英会話教室Rarejobを知っている方は多いと思う。英会話を学ぶ先生としてフィリピンの人を使う事で圧倒的に低コストでかつ、ほぼほぼネイティブな先生と会話ができる。Rarejobは、英会話のみだが、別に英会話に限らず教えてもらう先生を海外に持つ事で、コストを抑えたり日本では学べないような事を学べたりできるのだ。
では、ビデオチャットで何かを教えてもらうとして、どうやって先生を募集したらいいだろうか?特に海外の先生になるとどうやってお金を渡せばよいだろう?また、ビデオチャットというけど何を使えば良い?skype?それは先生のPCには入ってるの?
■どのようなサービスなのか
Skilioは、オンライン上で互いに持っている能力を教え合うソーシャルサービスである。教え合うためにskilioサービス上にビデオチャット機能が用意されており、これを使って講義を受けたり、逆に自分が講義を行ったりする。講義は、無料から有料まで設定できる。また1セッションあたりの生徒数も1人から何人でも設定可能である。なお講義が有料の場合、料金の受け渡しはSkilioを介して行う事ができる。
では、実際に少し触ってみると。
まず、Facebookアカウントでサインアップする。サインアップは他にTwitter, Linkedin, メールでできる。認証が終わると「何を学びたいのか」と「何を教える事ができるのか」を登録する。
簡単な自分のプロフィールを書いて完了すると、チャット画面に飛ばされ多いに焦る。なんとか抜け出してメニュー画面にたどり着いた。
ホーム画面は、Facebookおなじみのストリームラインが表示される。ここでは3つの事が可能だ。
・Share an Update ->ストリームラインにつぶやく
・Post a Request ->誰かに「教えてほしいリクエスト」をだす
・Create a Session ->俺が講義を開く!
「教えてほしいリクエスト」では 、リクエスト内容と払える予算を書く。
これを投稿するとskilio上で講師が募集される。
逆に自分が教える側の場合、講義を登録することになる。登録内容は、講義の内容の他に最大生徒数の上限値やカメラやマイクが必要かどうか、料金、日程などを登録する。
次に講義に参加してみる。
チャット画面が出てきてカメラのセッティングを促される。
これでカメラをセットしてセッションが始まる。(どうでもいいけど、これRed5を使ってるね)
Skilloでは、講義の報酬の受け方として4通りの方法を提供している。1つ目は、受講前に講師-生徒間で交渉し決めた額を生徒が講師に支払う方法。2つ目は、講師はボランティアベースで講義を実施する。そして、受講後に生徒は自分の好きな額を講師に支払う(最小額の指定はない)方法。3つ目はSkilioクレジットというSkilio内で使える仮想通貨(ポイントみたいなもの)で支払う方法。4つ目は講義の前に講師が事前に自分が教えてもらいたいスキルについて明記しておき、受講後、講師と生徒が逆になって教え合うスキルの物々交換で支払う方法である。
講義が有料である場合、Skilioは決済手数料として講義代金の15%を差し引き、これがSkilioの収益源となる。
■サービス/企業情報
URL | http://www.skilio.com/ |
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国 | USA |
創業 | 2010/12 |
■市場について
Skilioの市場は、「お稽古ごと、習い事」市場で、ターゲットは学校教育を卒業し働いている年代の人々だろう。この市場は、「講師と生徒がマンツーマンか1対多」かや、「リアルで会って講義をするか、オンラインで受講するか」などカテゴリ分けできるが、だいたい同じユーザがターゲットとなるのでお互い食い合う形となる。既存のケイコとマナブのような大きな広告媒体(アメリカでも同じようなのがあるはず)やSkillshareなどの新興サービス、場合によってはイベント募集サービスも競合となりうる。
Skillioは、「気軽にスキルを共有することができる」ことを前面に出す事で競争に勝ち抜こうとしている。彼ら曰く、Skilioは単なる教育ではない。ただ教えるだけでなく、メンタリングだったりコンサルティングだったり議論の場であったり、ミートアップの場であったりする。講師として教える側は次回は生徒となり、生徒であったユーザからスキルを共有してもらう。こういうスキルの循環が彼らの理想とするとこだろう。
しかし、この仕組みを作るのは簡単ではないと思う。例えばあなたが講師となって欲しいと言われたとしよう。さて、講師として教えられるスキルはどのようなものがあるだろうか?もちろん自信を持って教えられるスキルがあれば別だが、不特定多数誰が生徒となるかわからない中、お金をもらって教えるという立場にたつことを考えると、自分が講師になれることなどほとんどない(少なくとも僕はね)。
なので、Skilioのような仕組みを成功させるためには、僕の上記のような考えをいかに持たせないか、つまり「深く考えるなよ、気軽にお互いスキルをシェアしようよ。」という軽いノリにさせなければいけない。じゃないと、単なる講師紹介サービスとなり、「ケイコとマナブ」的な広告媒体と何も変わらないサービスとなってしまい市場で勝ち残れないように思う。
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