■どういった課題を解決しようとしているのか
新しい趣味を始めたいと思ったとき、何から始めればよいだろうか。例えばバイオリンを弾きたいと思ったとしたら、まずバイオリンを入手しなければならない。次に、自分で教科書片手に練習してもよいが、誰かに習いたいと思う人も多いだろう。教室に通わなければ。と、ここまで考えて出費が多い事に気付きやっぱやめようかと思う。
何か新しい趣味を始めるとき、人が思うのは「もしその趣味が自分に合わなかった場合を考えると、あまりお金をかけずに最初は試したい」ということだと思う。その上でこの趣味は自分に合っていると思えばそれなりの投資をすれば良い。
趣味を始めるにあたり、誰かに教わろうと考える場合、大抵は地元の教室に通ったりすることが多いだろう。世の中には料理教室、音楽教室に始まり、多種多様な教室がある。しかし、これらの教室は、前述のような「もしその趣味が自分に合わなかった場合を考えると、あまりお金をかけずに最初は試したい」という希望に必ずしも答える制度にはなっていない。
これらの教室は1回きりの生徒を募集することは少なく、大抵「1ヶ月毎週1回で半年間」とかある程度長期を前提としたスケジュールを引き、お金もそれを前提として払うことになっている。教室としての採算性を考えると当然なのだが、しかし、これは趣味として始めるものの途中で合わないと思ったらやめようと思ってる人にとっては都合が悪い。
もっと安いコストで、気軽に趣味を始めてみることができるイベントはないだろうか?
■どんなサービスなのか
LIFE CROWDは、自分の知らない新しいアクティビティを見つけ経験したい人とそのアクティビティを教える人をマッチングするラーニングマーケットプレースである。アクティビティは基本的に1回単位で募集がかけられ、ほとんどのアクティビティはこれから趣味を始める人向けの初心者コースである。新しい趣味を教えてもらいたい人は、経験者が募集するアクティビティに参加し授業料を支払う。アクティビティ1つに対する生徒の数は~10人程度の少人数の教室を前提としている。
まず、新しい趣味を始めようとする人の機能から見ていく。
サインアップはFacebookユーザで行う。メイン画面には、その地域で現在募集中のアクティビティ一覧が出てくる。内容は様々だが、「ロッククライミングを体験しよう」とか「色々なラーメンを作ってみよう」とか。
楽しそうなイベントが色々あっておもしろい。イベントにはそれぞれ1人当たりの料金が設定されており、右側のBuyボタンを押せばイベントへの参加予約完了である。こういった初対面の人ばかりのイベントは、どうしてもアウェー感があり、敷居が高くなる。その敷居を低くするために「友達を無料で連れてくる」といったボタンがあるのはいい考えだと思う。
アクティビティはカテゴリでも検索できる。カテゴリの命名もオシャレ。
コンシェルジュ機能というものがあり、自分がやりたいことを簡単に書くだけで、運営スタッフがオススメのアクティビティを提案してくれるサービスがある。これも類似の他のサービスには見ないおもしろいサービスだ。
次に、アクティビティを主催する側(経験者、講師となる人)の機能を見ていく。アクティビティを主催する人は「エキスパート」と呼ばれる。エキスパートになるには、自己紹介とバックグラウンド及び経歴について登録する必要がある。
登録すると、アクティビティ登録画面にいく。ここで、アクティビティの内容や1人当たりの授業料などを入力する。このあたりは、以前紹介したSkillShareやSkilioと似たようなものだ。
アクティビティを登録を完了すると、そのアクティビティが公開され、生徒が募集される。生徒は、アクティビティに参加した後、そのアクティビティについてコメントを残したりRatingを付けたりすることができる。
■企業/サービス情報
国 | USA |
---|---|
創業 | 2011 |
月間ユニークビジター数 | 669 |
投資状況 | $2M: (2011/9) |
■市場について
LIFE CROWDは、SkillshareやSkilioといったラーニングマーケットプレースサービスの系統に続くサービスである。ただし、集まっているアクティビティが「ナイトクラブで楽しもう」といった講師と生徒で教えてもらう形式じゃない純粋なイベントもあるようで、どちらかというとMeetupに近い形を目指しているのかもしれない。またビジネス系の講習やITなど仕事に関わる講習が全くないのもLIFE CROWDの方向性を表している。
このようなサイトは、サイトを構成するアクティビティ(Skillshareでいうクラス)の種類でそのサイトの雰囲気が決まる。全く同じサービスを展開したとしても、ビジネス系の講習を盛んにやるサービスと、クッキングやアウトドアスポーツが前面に載るサービスでは全く違ったサービスに見えるのではないかと思う。
LIFE CROWDは、2011年秋にできたサービスでSkillshareから丁度半年遅れのスタートとなる。ユーザ数はSkillshareの方が圧倒的に多い。しかし、UIの完成度や方向性を絞ったアクティビティのラインアップを見るにこちらの方がむしろ今後伸びるんじゃないかと思った。
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