2011年12月29日木曜日

「チェックインするとポイントがたまるロイヤルティプログラム提供サービス」Top guest

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■どういった問題を解決しようとしているのか

ソーシャルネットワークサービスがウェブを席巻する中、企業はソーシャルネットワークを使ったマーケティングを積極的にやるようになってきている。Facebookでは頻繁に大企業が作った軽いゲームアプリがニュースフィードに乗っかってくるし(例えばついこないだNISSAN ドリームスクラッチが来てました)、Twitterでは企業のアカウントが日々PR情報をつぶやいている。

これらソーシャルネットワークを有効活用しなければいけないのは旅行関連業界(ホテル業界、航空業界)も同じである。彼らのお客さんは、旅行する人々なので、なんとかして旅行で使ってもらっていい評判やリコメンデーションをソーシャルネットワーク上で伝播してもらいたい。

旅行している人が、インターネット上に旅行に関することを載せる場合、例えばブログなどに旅日記の形で詳細に旅の内容を書くことが考えられる。だが、最近多いのはFacebookやTwitter上で「場所」と「写真」をのせて一言二言添えるだけの投稿だ。例えば、「〜ホテルのバルコニーからの夜景、すげえ」という文と共に夜景の写真とホテルの位置情報を貼ったつぶやきとか、「今からフランス行ってきます!」みたいな文と共に飛行機の写真を載せたりとか。こういったつぶやきや投稿は気軽に書けるし、また気軽に「いいね!」と言えるので伝播も早いに違いない。そしてこれは間違いなく威力のある広告なのだ。

このソーシャルネットワーク上に投稿される短い投稿に自分のホテルや飛行機を載せてもらうにはどうすればよいか?

■どのようなサービスなのか

Top guestは、位置情報を投稿するソーシャルサービスを使って、指定の場所で「チェックイン」すると、インセンティブプログラム(ポイントがたまったり、商品がもらえたり)を受けられるサービスだ。

インセンティブプログラムの中には、例えばヒルトン系列のホテルで使えるポイントがたまるHilton HHonorsや、Virgin America航空のマイルがたまるVirgin America Elevateなど10種類が用意されている。それぞれのインセンティブプログラムに申し込んだら、FacebookかFoursquare, Twitter, Instagramのいずれかで指定の場所にチェックインする。これでポイントがたまっていくのだ。

チェックインすべき指定の場所とは例えばどんなとこがあるのかというと、なんと日本にもあるじゃないか。

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企業側としても少ない出費(ポイントの支出)でInstagramの写真付きでばずってもらえたりすれば、十分な元が取れるということなのだろう。

■サービス/会社情報

USA
創業 2010/06
従業員 5
月間ユニークビジター数 1,662
月間ユニークビジター増加率(昨年比) -81%
投資状況 2010/11 : $2M(Series A)
投資総額
(* CrunchBaseより取得)

VentureBeatの記事にある通り、Top guestは、2011/12月にezRez Softwareに買収された。サービスローンチからわずか18ヶ月という異例の早さでのExitで投資家たちもウマウマだったんじゃなかろうか。

■市場について

オンラインでロイヤルティプログラムを提供するサービスは最近アメリカでがんがんでてきている。デジタルロイヤルティカード(例えば10個ドリンク買ったら1個ただになるカードとか)をモバイルアプリとして提供するPunchdというスタートアップは、2011年(何月かちょっとわからなかった)に始まって2011年7月にはGoogleに買収されちゃうというすごい速さでゴールしちゃってるし、CrowdTwistも2011/9月に$600万ドルの資金調達に成功している。

そんな中Top guestは、位置情報アプリを使ったロイヤルティプログラムの提供に特化してExitを勝ち取った。同じようなことはこのTop guestが使うアプリであるFoursquareもやっている。Foursquareという大きなネームバリューを持つサービスが存在するにも関わらず競合としてうまくExitまで持っていけたのは、Foursquareがちんたらしてるのか、Foursquareが市場を取りきれないほどに市場が広いのか、それともTop guestがうまく売り抜けただけなのか、興味深いところだ。

新しいサービスを考えるとき、位置情報アプリは、Facebook, TwitterにFoursquareと並びこれに対抗するサービスを作るのは厳しい。だが、Top guestのようなサービスならば日本でもまだまだサービス展開の余地があるのではと思う。特に日本のホテルや旅館、及び飲食店などローカルなお客は、海外のサービスが手を出しづらいはずだ。先に提携先を固めてしまえばいいサービスができそうな気がする。

 

 

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