2012年3月19日月曜日

スキルを持つ人が新しい経験を提供する「sidetour」

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■どういった問題を解決するのか

世の中には習い事というものがあり、楽器やカメラ、ワイン教室からスポーツまで様々な事を教えてくれる教室がある。スキルを持つ人はこのような教室で講師として生徒を教え、それに対する報酬をもらうわけだが、このような教室で教える講師はプロの講師やその道のプロが教えていることがほとんどであり、スキルを持っているがプロというほどの経験やスキルがない人々はこういった教室に属することは難しい。

例えプロでなくても人に教えられることというものは多いし、教えたいと思っている人は多いと思われる。このような人は、どこで教える場を持ち、生徒を集めればよいのか。

また、習い事教室で毎週毎週通わなくても得られるスキルや経験というものもある。例えば「有名な美術館の美術品をアーティストが背景などを交えながら解説してくれる」というのはどうだろう。習い事というものではないが、自分1人では得る事ができない経験であり、知識である。こういった「教えるー教えられる」の関係のニーズはほんとは至る所にあるのではないかと思う。それらをうまくマッチングさせる場所が必要だ。

■どんなサービスなのか

sidetourは、様々なスキルを持つ人々とそのスキルを教えてもらいたい人を繋ぐマーケットプレースサービスである。

スキルを持つ様々な人々は「ツアー」を企画し、sidetourに投稿する。sidetourは、その投稿にいくつかの助言をし最終的に審査が通ると、sidetour上に公開される。ツアーに興味を持った人々は、sidetour上で参加申し込みをし、お金を支払う。そして、実際のツアーに参加するという仕組み。

いわゆるソーシャルラーニングと呼ばれるサービスの1つであり、skillshareLifeCrowdと同じカテゴリーに入るサービスだ。

sidetourは、ニューヨークに絞ってサービスを展開している。特色は教室数が少ないながらひとつひとつのクオリティが高いように見える(実際参加してないからもちろんほんとにクオリティが高いかは知らないが、見た目が非常に良い)。特に教室の写真に力を入れてる感じがする。素人がとってる写真ではないなあと感じた。恐らくここが他の類似サービスとの差別化でsidetour自体がかなり深くツアーのproduceに関与してるのではと想像できる。

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↑こんなアングルでこんなボケが効いた写真撮れないでしょ普通のひとは。あとpinterestのボタンがあるのも画像を重要視してる証拠なんじゃないかと。

 

このようなサービスはどうしても玉石混合のクラス(ツアー)が乱立することは目に見えるし、でもそれでもよくてたくさんクラスを載せようよという方向性もあるが、厳選してほんとにいいもののみ載せるという方向性もいいなと思えた。

決済は、sitdeturでなく別サービスであるeventbriteというチケット販売サービスに飛ぶ形となっている。決済機能は他のサービスに依存し、sidetourは、ツアーの紹介とproduceに力を注いでいるということかな。もちろんその分、手数料はeventbriteに流れる。sidetourは、ツアーの掲載料は無料だが、ツアーに生徒から申し込みが入った時点でその授業料の20%を手数料として徴収している。そしてこれとは別にeventbriteの手数料も引かれる。ツアー主催者側としては他のサービスに比べ多くの手数料を取られることになるが、逆にeventbriteからの集客も得られるわけでどちらがいいかは主催者次第と思う。

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↑eventbriteに飛んだ画面。eventbriteは、決済画面自体をカスタマイズでき、まるでsidetourのサイトかのようなデザインにできるってのがいい。

ソーシャルラーニングサービスは、アメリカでかなりの数が出てきていて、どうしても差別化しづらくなってきている。こうなってくるとやはり最後はデザインの差というところが成否を決めることになるのかなとsidetourを見てて思う。iPhoneが人気なのもデザインの占める割合がでかいだろうし世の中デザイン勝負ってことが多くなってきてるように思う。

 

2012年1月31日火曜日

「料理レシピのソーシャルブックマーカー」keeprecipes

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■どういった問題を解決しようとしているのか

インターネットが普及し、以前は料理本から学んだ料理レシピは、今やインターネット上に膨大な数が投稿されている。インターネット上には、プロが考案した本格的なレシピもあるが、「一般の食卓に並ぶ家庭の味」から「独身男が作るとにかく簡単でうまい料理」まで様々な角度から作られた幅広いレシピがある。しかし、誰でも投稿できるということは当然玉石混合となり、どのレシピが本当においしい料理となるのか作ってみないとわからない。玉石混合のレシピの中から、うまいレシピを見つけ出すにはどうすればいいだろうか?

また、1回作ったレシピは、味がよければまた作りたいと思うだろう。レシピのページをブラウザにブックマークしてもいいが、できれば見やすい形でブックマークできて、自分専用のレシピ帳が作れるとうれしい。

■どんなサービスなのか

keeprecipesは、世界中のウェブ上に投稿されているレシピ情報をkeeprecipes上にブックマークし、1つにまとめることができるサービスである。tumblerやpinterestといった今流行の「ブックマークレット押したら現在のページを自分のお気に入りにする」系。また、他のユーザの登録レシピをフォローしたりといったソーシャルの基本機能を備えている。これにより、自分の信頼のおける人や自分と趣向が似ている人が推薦したレシピのみを集めることができる。

まず、Facebookでサインアップする。すると、ユーザやグループが表示されるので、その中から自分が興味を持つレシピがある人をフォローする。

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次に、ブックマークレットを登録するよう言われる。

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こんな感じでブックマークレット登録。

Bookmarklet

サインアップが終了すると、メイン画面にいく。

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メイン画面には、先ほどフォローした人がブックマークしているレシピが表示されている。

自分がレシピを登録するには、登録したいサイトを表示して先ほどブックマークレットをクリックするだけ。

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材料と、手順は、自動で入力されてないので、サイトから手でコピーする必要がある。

ブックマーク完了。

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フォローできる人の中には、料理家として有名なひとも多いようで、こういう人たちが絶えずレシピを更新してくれるのだとしたら、すごい魅力的なサービスだと思う。

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■企業/サービス情報

USA
月間ユニークビジター数 4,410
投資状況 2011/8 : (Seed)
(* CrunchBaseより取得)

■日本の市場について

日本には、cookpadという巨大なオンラインレシピサイトが存在する。しかし、keeprecipesは、cookpadとは違い、「レシピを紹介する人」に焦点を当てるサービスとなっている。

つまり、「この人が紹介しているレシピなんだからうまいはずだ」という基準でレシピを選ぶことができるという点がcookpadとの差別化になるんだと思う。このレシピを紹介する人に焦点を当てるというサービスでは、料理家のレシピ集など料理家、フッドデザイナーのプロモーションの場としても使えるのではないかと思うし、場合によってはレストランなどのプロモーションとしても使えるのではないだろうか。マネタイズの方法も色々ありそうだ。

cookpadは、2010年度の売上が22億700万円、営業利益が10億6400万円であり、前期より約2倍増と成長著しい(参考)。他の競合である「ボブとアンジー」や「楽天レシピ」は、それぞれUVが22万と150万とcookpadの1200万に遠く及ばず、cookpadは圧倒的な市場のリーダーとなっている。

とはいえ、この市場自体が急拡大している市場であり、上記に書いた通り、cookpadとは違った視点でサービスを構築したサービスであることから日本でもいけるサービスだと思ってますがどうでしょうか。

2012年1月28日土曜日

「小規模ビジネスを狙ったソーシャルCRM」nimble

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■どういった問題を解決しようとしているのか

多くの顧客と日々接する営業にとって、CRM(顧客関係管理)はほぼ必須のシステムとなる。大企業の場合、大抵なんらかのCRMパッケージを使っているが、小規模の企業や個人事業主の場合、高価なことから使っておらず、Excelやテキストで管理していることも多い。

CRMを使う事で単純に顧客との予定や何をしたかを記録するだけでなく、例えば会社として過去に顧客から受けたクレームとその対策の一覧を表示できたり、見込み客とその案件の確度を知る事ができたりとExcel, テキストでは実現できない事も多い。

また、営業ではなく、一般の人々にとっても自分と関係を持つ人々と自分がどう関わってきて、将来どう関わる予定なのかを整理するツールが欲しいという人も多いだろう。Facebookやmixiなどでは、自分に関わる人々と情報を共有することはできるが、それぞれの関係ある人と自分との間にある関係についての情報を記録することはできない。

この人とは、過去いつ会って、どういうメールを交わし、次の予定はいつ会うんだっけ?が一覧で簡単に見れるサービスが欲しい。

■どんなサービスなのか

nimbleは、自分の人との繋がりを管理するソーシャルCRMサービスである。自分が過去に連絡を取った相手のコンタクトリスト、カレンダー、SNSの履歴などを一括で管理できる。

サインアップすると、自分専用のURLが与えられる(https://XXXXX.nimble.comみたいな感じで)。

自分と繋がりのある人や会社の情報は、nimbleに直接入力することもできるが、SNSやメールからインポートすることもできる。インポートできるサービスは、GmailやFacebook,Twitterなど。これにより、わざわざ自分のコンタクトリストを1から作る必要がなく、nimbleが自動的にリスト化してくれる。

また、例えばある人のFacebookアカウントが新たに登録された場合、nimbleが新しいFacebookアカウントはこのメールと同一人物ではないですか?という形で教えてくれる、いわゆる名寄せ機能もある。

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これにより、自分と繋がる人の情報はどんどん整理されていき、完全なコンタクトパーソンリストが作られていく。そして、nimbleのコンタクトリストを開くと、1人の人物がどのソーシャルサービスを使っていて、それぞれでの発言や自分とどういうメッセージを取り交わしたか、どういう取引をしたのかが一目でわかる。

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また、メッセージリストでは、登録したmail, Facebook, Twitterなど自分の全てのアカウントでやり取りされるメッセージを一括して表示することができる。

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もちろんnimble上からメッセージを発信することも可能。

また、タスクを管理するタスクリストとカレンダーを持っており、コンタクトリストの人を紐付けて管理することができる。また、カレンダーはGoogle Calendarと同期を取る事ができる。

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営業の経験がないため使い勝手がいいかはよくわからないが、顧客との取引を管理する機能もある。

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使い方としては、営業が顧客管理のために使うことを想定していると思われるが、個人が自分の人間関係を整理するツールとしても使えると思う。日本語に対応してないのかコンタクトリストに登録された人が検索でひっかからなかったりする不具合はあるが、機能としては素晴らしい。

交友関係がそんなに広くない僕ですら各SNSからコンタクトリストをインポートすると250人くらいのリストがでてきた。Twitter上の有名人や広告メールの配信者などを除いて、整理すれば自分と繋がる人の完全なリストが作れ、それぞれのひとごとに過去にどこで会い、どのようなメールのやり取りをし、今後の予定はどうなっているかが整理できる。

■会社/サービス情報

USA
創業 2009/4
従業員 25
投資状況 2010/1 : $2M(Seed)
投資合計 $3M

(* CrunchBaseより取得)

2012年1月23日月曜日

「オンライン書籍を印刷するボタンを提供する」peecho

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■どういった問題を解決しようとしているのか

電子書籍市場は、今すごい勢いで拡大している。InternetWatchの記事によると、日本における電子書籍市場は、2010年650億円であるが、2015年には2000億円になる見込みとのこと。

電子書籍の魅力の1つに低コストで世界中にコンテンツを販売できるという点がある。紙の本だと、世界中に読んでもらうためにはまず本とするために印刷する必要があり、さらにそこからそれぞれの国地域に運送する必要があるからだ。

一方で、本の需要がなくなるのかというと、少なくとも直近ではそうは考えにくい。電子書籍ではなく紙媒体で読みたいという需要はある程度の割合で存在するからだ。また、書籍に限らず例えば写真アルバム、ポスター等についても電子版だけでなく紙媒体の需要も残り続けると思われる。

今や電子書籍は多種多様なものが出版されており、本屋に売っていないものも多い。今後は、より電子書籍が普及し紙媒体の本が少なくなるに連れ、この傾向は顕著になるはずだ。では、紙媒体の書籍や写真アルバムが欲しい人はどうやって入手すればよいだろうか。

これは、電子書籍販売企業側からの視点でも見る事ができる。電子書籍を販売する企業の中には従来の出版社としての機能(印刷して本屋に流通させる機能)を持っていない会社も多い。とはいえ、紙媒体を欲するユーザに全くリーチしないのは、コンテンツを持っているのにもったいない。持っている電子書籍のコンテンツを簡単に紙媒体に印刷し、ユーザに届けることはできないだろうか?

■どんなサービスなのか

peechoは、電子書籍や写真アルバム、ポスターなどの電子媒体の印刷を請け負うサービスである。peechoは、ウェブサイトに簡単に設置できる「印刷」ボタンを提供している。ユーザがウェブサイト上にある「印刷」ボタンをクリックすると、簡単に対象の電子書籍や写真アルバム、ポスターなどの印刷媒体がpeechoにより印刷され、ユーザの元へ配送される。

以下が「印刷」ボタンを設置したサイトの例

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peechoの「印刷」ボタンの設置は非常にシンプルだ。まず、印刷する対象のファイルをオンライン上にアップロードする。次にpeechoにサインアップし、自分のサイトに設置する「印刷」ボタンのソースを入手する。

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最後に、このソースを自分のサイトに貼り、peechoのアドミン画面からこのボタンの設定を行う(いくらでこの書籍を売るのかとか)。これでおしまいで、あとはユーザがボタンを押して紙媒体のコンテンツを買ってくれれば、自動的にpeechoへの手数料を差し引いた額が利益として得られる。

印刷媒体の言語は今のところ英語とヨーロッパのいくつかの言語のみのようだが、日本語や中国語もメールで確認してくれれば対応できるみたいだ。対応するページ枚数は500ページ以下とのことだが、大抵の書籍はこれに収まるだろう。

ただし、今のところコストは若干高めだ。VentureBeatによると通常5$で売られる書籍は、peechoを介して印刷すると7$になるとのこと。ただこれはpeechoのユーザ増加と共に下げることが可能と書いてある。

■会社/サービス情報

オランダ
創業 2009/11
従業員 6
投資状況 2012/1 : $750k(Unattributed)
(* CrunchBaseより取得)

■日本の市場について

2009/11に創業して以来、2010年にBest Business Model(TheNextWeb)を2011年にはAccenture Innovation Award for best e-commerceを受けている。同じようなビジネスモデルを行う競合はぱっと見た限り見つけられなかった。これから提携する印刷工場をどんどん増やしていく予定とのことで、こうなると規模の経済が働き、なかなか追いつけないサービスになるのではないのだろうか。

このサービスは、提携する印刷工場がない国地域では、サービスを行えないはずで(行っても利益でないはずで)、日本にすぐに入ってくる事は考えにくい。世界的に電子書籍が普及する中、印刷工場は需要の減少に頭が痛いはず。このサービスは十分日本でも立ち上がるのではないかと思う。

 

2012年1月21日土曜日

直近メディアに取り上げられたベンチャー企業ダイジェスト(1/21)

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■Cadence Biomedical

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アメリカで230万人いると言われる足の不自由な障害を持つ人のために、歩くことを助ける新しい機器を提供する企業。この機器は、電源を必要とせず足の弱い筋力を増幅させ、障害者が次の1歩を出す事を助ける仕組みを持っている。1/20に75万ドルの資金調達を実施したとのこと。

http://www.finsmes.com/2012/01/cadence-biomedical-raises-750k-funding.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+finsmes%2FcNHu+%28FinSMEs%29

■Avila

Covalent drug(共有結合モディファイアを利用した薬)を設計開発するベンチャー企業。Covalent drugとは、病気の原因となるようなタンパク質の間に共有結合の連鎖を作る事で病気の原因を潰してしまう薬のこと。共有結合モディファイアは、強力な薬効がある一方で、オフターゲット選択性(ターゲット以外のタンパク質には働かずターゲットのみに作用する性質)に乏しいため創薬では諸刃の刃となる性質だ。ただ、効果はすばらしいため感染症やガンなど重大な病気を対象とした薬で既に使用されており、2009年度の売上高トップ10の医薬品のうち3つがこのCovalent drugである(主要Covalent drugの総売上は年間3兆円を超える)(参照:メドケム日記)。

今まで発明されてきたCovalent drugは、そのほとんどが偶然見つかったもので、合理的に設計開発する方法はなかったのだが、近年の研究により少しずつできるようになってきた。Avilaは、その草分け的企業である。

非小細胞肺癌に効果がある治療法がFDA(アメリカ食品医薬品局)のマイルストーンステージに到達したことを受け、Avilaが400万ドルの増資を受けたとのこと。

http://www.masshightech.com/stories/2012/01/16/daily36-Avila-spears-4M-in-milestone-payment-from-Clovis--.html

■Solx

Solxは、眼内圧を低下させたり、計測したりするための機器を持つ緑内障用治療器具の企業である。

緑内障は、日本でも糖尿病網膜症を抜いて失明の原因ナンバー1の病気となった。緑内障治療の基本は、眼内圧を下げることにより病状の進行を送らせることである。Solxは、虹彩角膜角櫛状靱帯を残したまま眼内圧を下げるために設計された医療機器で2008年9月にFDAから承認を受けている。

このSolxが、325万ドルの資金調達をしたと。

http://www.masshightech.com/stories/2012/01/16/daily43-Solx-snaps-up-325M-in-new-funding.html

■Rue La La

会員制ショッピングサイトで、ファッションブランドなどを大幅に値下げして期間限定で販売するサービス。同様なサービスとしてGilt, Hautelookなどがある。2200万ドルの資金調達をしましたと。何にそんな大金使うんだろか。

http://techcrunch.com/2012/01/20/after-laying-off-60-people-ruelala-raises-22-million/

■App addictive

App addictiveは、Facebook上のファンページに数クリックでサインアップフォームやGoogle mapやyoutubeのビデオギャラリー、クイズなどを設置できるサービスである。以前紹介したecwidみたいなeCommerce用プラグインをFacebook上にのせるサービスもあることだし、No programmingで結構色々作れちゃう気がするな。

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App addivtiveは、120万ドルのシードファンディングを実施したとのこと。

http://techcrunch.com/2012/01/19/appaddictive-raises-1-2-million-for-drag-and-drop-facebook-page-builder-ad-platform/

■anaplan

ビジネスの計画、予測、分析をするためのプラットフォームを提供する企業。クラウドサービスで、プラットフォームにあるビジネスデータは全て独自のインメモリデータベースに格納されており、パフォーマンスが良いところが売り。

こういうサービスが出るってことは、企業の機密データをパブリッククラウド上に載せることに抵抗があった時代は終わりつつあり、パブリッククラウドでも十分セキュリティ的な担保ができると認識される時代になってきたのかもしれない。ビジネス計画、予測、分析のデータをパブリッククラウドに持てるなら企業の中で持つべきシステムなんてほとんどないだろうなあ。もうちょいしたら企業のITシステムも大きく変わるのかもしれない。

anaplanが1140万ドルのシリーズBを実施しましたと。

http://www.finsmes.com/2012/01/anaplan-closes-11-4m-series-financing.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+finsmes%2FcNHu+%28FinSMEs%29

 

 

 

2012年1月20日金曜日

邦楽も聞き放題なGroovesharkが色々な意味で今熱い!

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■Groovesharkが熱い!

Groovesharkとは、ユーザがアップロードした音楽をストリーミングで配信するウェブサービスです。つい先ほどikedahayato.blogを見て知ったサービスですが、ほんとにすごい。日本の有名アーティストの楽曲がほぼほぼあるんじゃないかという位揃っている。

久しぶりにすごいすごいと興奮しちゃって、、、あれこの感じいつか味わったことがある香り、、、。僕が大学生の頃WinMXが大ブームとなり、しばらくしてwinnyが流行したあの時と同じようなにおいがしますね。あの頃も「アップロードは違法だがダウンロードは合法だ!」「いやでもwinnyは知らずのうちにアップロードしてるんだぞ、お前も」「いやwinnyは大丈夫なんだよ」みたいな噂が飛び交ったのを覚えています。

今はどんな噂が飛び交ってるのかと思い、英語の記事を漁ってみました。読んだ限りの記事をまとめてみます。

■Groovesharkのサービス

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Groovesharkは、ユーザがアップロードした膨大な楽曲をストリーミング配信するサービスである。楽曲は洋楽、邦楽、中国の曲など豊富に揃っており、僕が探す限り、邦楽などでもメジャーな曲であれば大抵ある。ウェブブラウザからであれば、楽曲のアップロード、ストリーミング配信全て無料で使用できる。ブラウザ上の音楽プレイヤー画面には多数の広告が表示され、この広告収入がGroovesharkの収入源の1つとなっている。また、広告を消したり、高品質音源で聞くための有料オプションも用意されている。

■Groovesharkの言い分

どうも違法な香りがぷんぷんするが、当然ながらGroovesharkは自分たちのサービスは完全に合法だと言っている。Groovesharkは彼らが配信している楽曲の一部でライセンスを持っていない状況が続いているが、合法だと主張できる根拠は、1998年にアメリカの裁判所が出した「DMCA Safe Harbor」という条項にある。

DMCA(Digital Millennium Copyright Act)は、アメリカの著作権に関する法律で、著作権侵害について故意・過失がなくても罰せられる。このため、ISP(インターネットサービスプロバイダ)などは、ユーザの著作権違法なコンテンツのアップロードにより即座に違法になってしまう恐れがあるため、漫然とした態度を取らずに取りあえず警告を発するなど迅速に対処する事により法的に罰せられるリスクを回避できるという条項がある。これが「DMCA Safe Harbor」である。

つまり、Groovesharkは、確かにユーザがアップロードしたライセンスのない違法な楽曲がたくさん配信されてるかもしれないが、我々はそれらの削除に努力してるのだから問題ないと主張しているのだ。

■GroovesharkとSportifyの違い

楽曲のストリーミング配信サービスと言えば思いつくのがSportifyだろう。Sportifyは、2008年夏にサービスを開始したサービスで欧米の4大レコードレーベル等と契約を結び、それらの楽曲をオンラインで配信している。Groovesharkとの違いは、ユーザがアップロードした楽曲を使用しているかどうかの違いである。Sportifyは、ユーザの楽曲アップロード機能は持っておらず完全に合法な楽曲のみしか配信していない。

■youtubeとGrooveshark

DMCA Safe Harbor条項を元に展開しているサービスは他にもある。youtubeだ。youtubeもユーザが著作権違法な動画をアップロードしたとしても、常に著作権違法動画の削除に努力していることで罪に問われることはない(とGoogleは言っている)。

Groovesharkは、「音楽のyoutube」になると言っている。youtubeが合法ならGroovesharkも合法だろと。

ただ、これに関しては疑問を呈する人も多い。弁護士であるRick Sandersという人のブログによると、youtubeとの違いは、違法アップロードされたコンテンツの割合だという。youtubeは、アップロードされたコンテンツの大部分は、コンテンツ主が自作する等した合法な動画であり、違法動画はごく小さな割合でしかない。それに対し、Groovesharkはそのほとんどが違法楽曲である。この点で、youtubeが裁判に勝てたとしてもGroovesharkが勝てるとは限らない。

また、このDMCA Safe Harborは、決して包括的な免責条項ではない。サービス管理者は、ウェブサイト上の違法コンテンツをなくすために決められたいくつかのステップを踏まなければいけない。特に、

・繰り返し行われる違法コンテンツアップロード者を除去するためのシステム実装やポリシーを持つこと
・ウェブサイトを通して登録された著作権違法行為は、サービス管理者が気付いてないものであること
・ 著作権違法行為から直接金銭的な利益を受けないこと
・サイト運営者により著作権違法行為をやめさせること。(警告した後削除する)

1つ目と4つ目はGroovesharkはクリアしているようだが、2つ目、3つ目は怪しいとのこと。

■音楽レーベルとの闘い

youtube(Google)は、viacomに2007年に著作権違法で訴えられ今も裁判が続いている。現在のところGoogleが勝っているようだ

一方でGroovesharkは、世界の4大レーベル全てに訴えられている状況。また、音楽業界からの訴えに基づきApple's StoreとAndroid MarketからGroovesharkのアプリが削除されている

■結論

Groovesharkは、世界の主要なレーベルに訴えられまくってて、専門家もだめなんじゃないかって言ってるけど、とりあえず裁判終わるまではサービス使えそう。Groovesharkだけに限らず、今話題のSOPAとかMegauploadの運営者が逮捕されてサービスが閉鎖したりとか、ネット業界VS映画・音楽コンテンツ業界の攻防はまだ続きそうだな。

ま、今のうち使っとけというのが結論ですか。

 

2012年1月19日木曜日

「地元の病院の検索と予約が取れる、病院のポータル」ZocDoc

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■どういった問題を解決しようとしているのか

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体の調子が悪いとき、医者に見てもらうため病院に予約をいれる必要がある。日本では予約のほとんどが電話予約であり、インターネット予約ができる病院はごく限られている。また、できたとしても予約を第2希望くらいまで書いて送信するだけのフォーム(OKを押すと病院に予約のメールが飛ぶ)であることが多く、医師が空いているスケジュールがわかりそこに予約を入れるといったシステムはほとんどない。

しかし、電話予約だと病院が開いている時間にアポイントを取らないといけないし、空いているかを確認して空いていない場合は次の病院にまたかけるなど非常に面倒くさい。

■どんなサービスなのか

Zocdocは、全国の病院を検索できる検索ポータルであると同時に病院のウェブ予約ができるサービスである。

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まず、患者は、自分の住む地域と見てもらいたい内容(歯医者なのか眼科なのか等)、健康保険の種類を登録し検索する。

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すると、その地域の該当する病院が地図とともに表示される。

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病院の詳細情報や医者の予約が取れる日時、その医者の評価が一覧で表示される。

予約を取る時間をクリックすると、いくつかの質問を埋めるフォームが出てくる。質問にはい、いいえで答えてサブミットすると予約が取られる。

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■会社/サービス情報

USA
創業 2007/9
従業員 200
月間ユニークビジター数 304,298
月間ユニークビジター増加率(昨年比) 505%
投資状況 2011/9 : $75M(Series C)
投資総額 $95M
(* CrunchBaseより取得)

なお、ZocDocは、アメリカでは病院の予約プラットフォームの中ではトップを走っているサービス。

■日本の市場

なぜ日本では予約受付システムを持つ病院が少ないのだろうか?ある医療関係の友達に聞いてみたところ、アメリカと違い、導入によるメリットが少ないからではないかとのこと。

アメリカでは、健康保険は国民みなが持ってるわけではなく、自分たちでお金を払って健康保険に入る。健康保険は保険会社によって値段やサービスが異なる他、使える病院も異なる。また、病院ごとに診療費も異なるため、患者は自分の健康保険が使える病院を探す必要がありその中でも診療費の安い病院であったり、診療費が高ければそれなりのサービスがあるかを見る事になる。

従ってアメリカでは病院間に競争が生まれ、サービス向上の1つとしてこのような予約受付システムの導入を入れるインセンティブが生まれるのだと思う。

一方で、日本は、国民はみな健康保険に入っており病院での診療費はどこにいっても一律である(診療内容によって点数化されている)。患者は基本的に自分が住む場所に近い病院にいけばよく病院を選ぶ動機はあまり見つからない。病院としても新しいシステムを導入する費用に見合うだけのインセンティブがない(ように見える)ため、予約受付システムは普及しづらいのだと思われる。

しかし、今後病院の主要ユーザである高齢者層にもインターネットを普段から使う人々の割合が増えてくるため、おのずとこのようなニーズは高まってくるに違いない。それに加え、日本では行政の方針もあり、病院間の競争が激しさを増してきている。患者を取れない病院の倒産数が増えており患者を増やすためのサービス向上に目を向ける病院も多くなると思う。TechCrunchの記事では、このサービスを導入する事で10~20%の今までリーチできなかった患者を獲得できたとのことなので、それなりの規模の病院ならば十分payできるんじゃないかと思う(初期費用なしの月2万円くらいだから1週間に2、3人患者が増えるだけで元とれそうな気がするけど)。

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利用者の立場から言うと是非このサービスが普及して病院予約が便利になって欲しいですね。

 

2012年1月17日火曜日

「趣味を始める人と経験者のマッチングサービス」LIFE CROWD

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■どういった課題を解決しようとしているのか

新しい趣味を始めたいと思ったとき、何から始めればよいだろうか。例えばバイオリンを弾きたいと思ったとしたら、まずバイオリンを入手しなければならない。次に、自分で教科書片手に練習してもよいが、誰かに習いたいと思う人も多いだろう。教室に通わなければ。と、ここまで考えて出費が多い事に気付きやっぱやめようかと思う。

何か新しい趣味を始めるとき、人が思うのは「もしその趣味が自分に合わなかった場合を考えると、あまりお金をかけずに最初は試したい」ということだと思う。その上でこの趣味は自分に合っていると思えばそれなりの投資をすれば良い。

趣味を始めるにあたり、誰かに教わろうと考える場合、大抵は地元の教室に通ったりすることが多いだろう。世の中には料理教室、音楽教室に始まり、多種多様な教室がある。しかし、これらの教室は、前述のような「もしその趣味が自分に合わなかった場合を考えると、あまりお金をかけずに最初は試したい」という希望に必ずしも答える制度にはなっていない。

これらの教室は1回きりの生徒を募集することは少なく、大抵「1ヶ月毎週1回で半年間」とかある程度長期を前提としたスケジュールを引き、お金もそれを前提として払うことになっている。教室としての採算性を考えると当然なのだが、しかし、これは趣味として始めるものの途中で合わないと思ったらやめようと思ってる人にとっては都合が悪い。

もっと安いコストで、気軽に趣味を始めてみることができるイベントはないだろうか?

■どんなサービスなのか

LIFE CROWDは、自分の知らない新しいアクティビティを見つけ経験したい人とそのアクティビティを教える人をマッチングするラーニングマーケットプレースである。アクティビティは基本的に1回単位で募集がかけられ、ほとんどのアクティビティはこれから趣味を始める人向けの初心者コースである。新しい趣味を教えてもらいたい人は、経験者が募集するアクティビティに参加し授業料を支払う。アクティビティ1つに対する生徒の数は~10人程度の少人数の教室を前提としている。

まず、新しい趣味を始めようとする人の機能から見ていく。

サインアップはFacebookユーザで行う。メイン画面には、その地域で現在募集中のアクティビティ一覧が出てくる。内容は様々だが、「ロッククライミングを体験しよう」とか「色々なラーメンを作ってみよう」とか。

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楽しそうなイベントが色々あっておもしろい。イベントにはそれぞれ1人当たりの料金が設定されており、右側のBuyボタンを押せばイベントへの参加予約完了である。こういった初対面の人ばかりのイベントは、どうしてもアウェー感があり、敷居が高くなる。その敷居を低くするために「友達を無料で連れてくる」といったボタンがあるのはいい考えだと思う。

アクティビティはカテゴリでも検索できる。カテゴリの命名もオシャレ。

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コンシェルジュ機能というものがあり、自分がやりたいことを簡単に書くだけで、運営スタッフがオススメのアクティビティを提案してくれるサービスがある。これも類似の他のサービスには見ないおもしろいサービスだ。

次に、アクティビティを主催する側(経験者、講師となる人)の機能を見ていく。アクティビティを主催する人は「エキスパート」と呼ばれる。エキスパートになるには、自己紹介とバックグラウンド及び経歴について登録する必要がある。

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登録すると、アクティビティ登録画面にいく。ここで、アクティビティの内容や1人当たりの授業料などを入力する。このあたりは、以前紹介したSkillShareやSkilioと似たようなものだ。

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アクティビティを登録を完了すると、そのアクティビティが公開され、生徒が募集される。生徒は、アクティビティに参加した後、そのアクティビティについてコメントを残したりRatingを付けたりすることができる。

■企業/サービス情報

USA
創業 2011
月間ユニークビジター数 669
投資状況 $2M: (2011/9)
(* CrunchBaseより取得)

■市場について

LIFE CROWDは、SkillshareSkilioといったラーニングマーケットプレースサービスの系統に続くサービスである。ただし、集まっているアクティビティが「ナイトクラブで楽しもう」といった講師と生徒で教えてもらう形式じゃない純粋なイベントもあるようで、どちらかというとMeetupに近い形を目指しているのかもしれない。またビジネス系の講習やITなど仕事に関わる講習が全くないのもLIFE CROWDの方向性を表している。

このようなサイトは、サイトを構成するアクティビティ(Skillshareでいうクラス)の種類でそのサイトの雰囲気が決まる。全く同じサービスを展開したとしても、ビジネス系の講習を盛んにやるサービスと、クッキングやアウトドアスポーツが前面に載るサービスでは全く違ったサービスに見えるのではないかと思う。

LIFE CROWDは、2011年秋にできたサービスでSkillshareから丁度半年遅れのスタートとなる。ユーザ数はSkillshareの方が圧倒的に多い。しかし、UIの完成度や方向性を絞ったアクティビティのラインアップを見るにこちらの方がむしろ今後伸びるんじゃないかと思った。

2012年1月16日月曜日

「1日1回新たな出会いがあるオンラインデートサービス」frigg

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■どういった課題を解決しようとしているのか

出会いの場をインターネットに求める人は世界的に増加している。例えばUSでは、オンラインデートサービスは、2008年度の有料コンテンツ市場でゲーム、音楽に次いで3番目の規模の市場となっており、2013年まで年10%の割合で成長することが予測されている(参照)。また、独身者の半数がオンラインデートサービスを使用した経験があり、結婚したカップルの12%がオンラインデーとサービスで知り合ったとのこと。日本は4%のカップルがオンラインデートサービスで知り合ったカップルだそうで、まだまだUSに比べると少ないが今後増えていく事は間違いない。

しかし、一般的にオンラインデートサービスは3Aと呼ばれる「怪しい」「危ない」「相手がいない」という課題を抱えている。「危ない」は、特に女性ユーザが感じる問題で、嫌な相手から一方的にメッセージを送り続けられる等のアクションを取られるオンラインでの嫌がらせだけでなく、実際会ってから起こるストーカーや犯罪行為などが挙げられる。また、「相手がいない」はどちらかというと男性ユーザに起こる問題である。一般的にオンラインデートサービスを使うユーザは男性が多く、このためどうしても女性ユーザが不足しがちになる。この結果、サービス運営者は、サクラを使用し偽の女性ユーザを作ったりするわけだが、これが「怪しい」に繋がり「出会い系サイト」が悪いイメージを持つ事に繋がるのだと思う。

上記3Aをうまく解決し、「安全、安心、出会える」オンラインデートサービスを作れないだろうか?

■どんなサービスなのか

friggは、真剣に結婚を考える人を対象に出会いの場を提供するオンラインデートサービスである。

特長は、男女をマッチングする方法にある。男女の出会いは、1日1回、相性を考慮したシステムによるマッチング結果に基づき行われる。紹介された相手は24時間以内にメッセージのやり取りがあれば履歴に残り1ヶ月間は連絡が取れる。やり取りがなければ連絡はとれなくなる。

この方法をとると、1日1回は好みかどうかは別として必ず「出会える」わけで、「相手がいない」ということはなくなる。

また、ユーザが相手と知り合える方法は、上記のマッチング方法のみであり、他のユーザの検索機能は提供されていない。相手とのアクセス方法も好きじゃなければ24時間で切れてしまうので、オンライン上における「危ない」行為は防げることになる。ユーザはプレミアム会員となった時点でクレジットカードもしくは身分証明書などで本人確認を行うためオフラインでの「危ない」行為も抑えることができると思われる。

なお、ユーザは、マッチングを受けたり、相手からメッセージを受け取ることは無料で可能だ。メッセージの送信のみ有料(ただし男性のみ)となる。

1日1人であるため、自分の気に入る人に巡り会いそこからさらに相手も気に入ってくれるまで道のりが結構長くてユーザに飽きられないかという懸念はあるが、できたばかりのサービスなので今後の発展に期待したい。

2012年1月12日木曜日

「個人投資家のためのTwitterライクなサービス」StockTwits

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■どういった問題を解決しようとしているのか

東京証券取引所によると、平成22年の個人株主の数は、4591万人で前の年より112万人増え、過去最高を更新した。要因としては、インターネット証券の増加などで手軽に取引ができるようになったことなどが挙げられるがいずれにせよ、今後も増加が期待される。

個人投資家が株や通貨など金融資産に投資する際、大きく2つの手法のどちらかを取ると言われている、テクニカル分析かファンダメンタル分析である。ファンダメンタル分析は、世の中の情勢や株で言えばその会社の財務やビジネスの状態を調べそれに対し今の株価が割安or割高かどうかで売買を判断する手法を指す。一方でテクニカル分析は、そういった情報を一切考慮に入れず、日々動く価格、つまりチャートのみを情報源として株価の上下を予測し売買する手法を指す。

従って、個人投資家が投資の判断に使う情報は証券取引所が出すチャート図とそれぞれの会社やマクロなニュース情報ということになるが、インターネットな時代それ以外に様々な情報がネット上にあふれており、そういった情報も色々気になるものだ。

例えば、有名なトレーダーが毎日その日の注目銘柄などを発言しているブログがあれば購読しておきたいと思うし、Yahooの掲示板に自分が持つ株の噂が流れれば気にせずにはいられない。ただ、全ての情報に目を通すのは非効率だろう。前述したように投資手法は人によって異なり、例えばテクニカルで投資する人がファンダメンタルな情報を見せられてもあまり役に立たない。テクニカルな人は、より経験豊かで成功しているテクニカル分析のトレーダーの情報が欲しい。

また、特にテクニカルで勝負するデイトレーダーの人たちは、情報は速さが命である場合も多い。今からこの数分でこの株価はどうなるのかといった分単位の情報を得るためにはリアルタイムで更新されていく情報源が良い。

自分が目指すトレーディングスタイルと似た人の情報をリアルタイムで効率良く収集するにはどうしたらよいだろうか?

■どんなサービスなのか

StockTwitsは、金融投資に関する情報を共有するマイクロブロギングサービスである。自分と良く似たトレーディングスタイルの人を探しフォローし情報を共有したり、自分の気になる銘柄や通貨の情報をリアルタイムで得ることができる。

サインアップはFacebook, Twitter, Linkedinの他メールでも可能。

サインアップの中で名前や気になる銘柄といった情報の他、自分のトレーディングスタイルも登録する。

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↑僕は、株式のファンダメンタル、スウィングトレーダーなり!

トレーディングスタイルを登録すると、自分と似たスタイルのユーザが一覧で表示される。

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好きな人をフォローして、サインアップ完了である。

サインアップ後のユーザメイン画面は、Twitter風のストリームが流れる感じの画面。

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例えばGoogleに関するユーザの発言を聞きたいならば、Googleで検索し銘柄のページに飛べばよい。

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また、ストリームに流れる発言は、通常のユーザが発言するものと有料の情報源からの発言がある。有料の情報源はサイト内でクレジットカードを使い購入できるようだ。

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ところで、StockTwitsのデモグラフィクスを見てると1つ意外な点があった。60代以上のユーザにリーチしていることだ。60代以上のネットユーザが元々少ないことから統計的に正しい数字を表してるかはちょっと疑問でもあるが、こういう自分の金銭に直結する情報を得ることができるようなサービスは、ネットに慣れていない世代であっても使うという話なのかもしれない。

* 上記は、全インターネットユーザの平均値に比べ本サービスのユーザ層がどのくらい偏っているかを示す。左にバーが伸びるほどユーザ層が平均に比べ少なく、右に伸びるほど多い事を示す。(Alexaより取得)

■会社/サービス情報

USA
創業 2008
従業員 22
月間ユニークビジター数 61,967
月間ユニークビジター増加率(昨年比) 61%
投資状況 2010/10 : $4M(Series C)

(* CrunchBaseより取得)

 

■日本の市場について

StockTwitsのターゲットは、個人投資家である。個人投資家は、市場に勝つための情報を渇望している。そして、その訴求力は強力で、ある程度の値段がする情報であっても個人投資家は購入するのだ。これは、「これで絶対相場に勝てる!」みたいな情報商材や本、有料のニュースレターが山のようにあることでもわかる。

従って、他のSNSと比べて個人投資家をターゲットにするサービスはマネタイズしやすいのかなと思っている。

日本に同様のサービスがあるのかと検索エンジンでひっかけていくともう結構たくさんあることに気付いた。

カブトモNet

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みんなの株式

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stock cafe

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特に「みんなの株式」は1ヶ月のユニークビジターが52万とかなり大きなサービスのようだ。今から新しいサービスをこの市場に作ろうとしたら、単純に個人投資家内での情報共有ができるSNSっての以外に新しい価値を提供できないとだめだろうなあと思う。もしStockTwitsがそのまま日本にきたら、差別化できる機能はTwitterライクな投稿がリアルタイムで流れるという点だろうけどそれがどれだけユーザに受けるかはよくわかんない。

2012年1月10日火曜日

「オンラインでの人力翻訳サービス」myGengo

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■どういった問題を解決しようとしているのか

今、ものすごい勢いで世界のインターネット人口は増えている。その中でも増加が著しいのは、中国語圏、アラビア語、スペイン語、ロシア語など非言語圏の人々である。英語圏が圧倒的に多数であったインターネットユーザだが今後ますます非英語圏のユーザが増加していくと考えると、インターネットサービスを運営する企業は非英語圏の人々にリーチする方法を考えなければいけなくなる。

特にeCommerceなどの金銭が絡むサービスの場合、ユーザの大多数は母国語以外のサイトを利用することに消極的になる。従って、英語以外のマルチ言語のサイトを持つ事が今後重要になるだろう。

マルチ言語のサイトを持つためには、自分の母国語のサイトを翻訳してもらう必要がある。しかし、既存の翻訳会社に依頼すると非常にコストが高くつくという現状がある。例えば日本の翻訳会社の最大手である「翻訳センター」は、400字の原稿を訳すための料金を3000円〜3500円(英→日)としている。他の既存翻訳会社もだいたい同じような料金設定となっている。

この金額が高いか安いかは個人の感覚によるが、個人や小さな企業が使うサービスとしてはきつい価格設定だと思われる。もっと手軽に個人や小企業が使えるサービスはないだろうか?

また、例えばブログや頻繁に更新されるサイトを運営している人にとっては、コンテンツが更新されるたびに翻訳会社に依頼するのは事務的に効率が悪い。できれば、コンテンツが更新したら自動的にそれを受け取って翻訳を自動で行って欲しい。コンテンツ更新を察知して勝手に翻訳を実施し返してくれるサービスはないだろうか?

■どのようなサービスなのか

myGengoは、インターネット上の人力翻訳サービスである。全世界に翻訳者のネットワークを持ち、様々な言語間での翻訳を既存の翻訳会社よりも安い価格で請け負うことができる。例えば、400字の原稿を翻訳する料金は、最大20$となっている。これは翻訳センターが提示する価格の60%未満となる。

また、納品の速さも特長で依頼の90%以上が24時間以内に完了し、24時間365日利用可能である。

また、myGengoは、APIを公開している。このAPIは、ユーザが既に運営しているシステムから呼び出すことでき、例えばブログが更新するたびに自動的にAPIを呼び出し、更新されたコンテンツを翻訳依頼したり、翻訳された内容を自動で投稿したりすることができる。

では、実際に使ってみる。

まず、メールアドレスでサインアップ後、ログインすると、以下の画面に移る。

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翻訳する言語と、翻訳レベルを選択肢、翻訳するコンテンツを入力もしくはアップロードすると、翻訳料金と翻訳にかかる時間が表示される。

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僕のブログは1投稿4000円強か。ちょい無理だな(笑)。

■会社/サービス情報

JPN
創業 2008/12
従業員 5
月間ユニークビジター数 1,349
月間ユニークビジター増加率(昨年比) -75%
投資状況 2011/9: $5.25M(Series A)
投資総額 $6.8M
(* CrunchBaseより取得)

■市場について

myGengoは、翻訳業界に属し、既存の翻訳会社より安い値段で翻訳することを強みにシェアを伸ばしている。

とはいえ、もちろん欠点もあるわけで例えば、より専門的でセンシティブな内容(例えば法律文書だったり契約書だったり)は、より精度の高い翻訳が要求されるためmyGengoのような1人の翻訳者が訳すサービスではなく、翻訳者と別にチェッカーがチェックするようなサービスを利用するべきだ。

しかし、myGengoによると世の中の翻訳需要はそういった精緻な翻訳ではなく、多少質が落ちたとしても安価なサービスを選ぶほうが多くなってきているようだ。これは、前に書いたようにウェブページの翻訳などが増えたことが原因かもしれない。

myGengoのようなサービスは、いくつか似たサービスが存在する。全てをここで挙げることはしないが、myGengoよりさらに安い価格で提供するサービスもあるし高い価格のサービスも存在する。恐らく、これらの価格は、翻訳の正確さや納期の速さとのトレードオフなのだと思われる。それぞれの価格帯のサービスでそれに一番適したユーザ層がいるはずで、ユーザはどのくらいの正確さを求めるのか考えた上でサービスを選ぶことになるのだと思われる。

 

<新規サービス案>「最新のスタートアップ市場情勢が一目でわかる」StartupsMomentum

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■どういった問題を解決しようとしているのか

あなたが、起業家であったりある企業の新規事業開発部などに所属していたとしよう。あなたは新しいサービスを考えなければならない。そのサービスは、他の人々から支持されると共に、喜んでお金を払うものでなければならない。さらにそのサービスと良く似たサービスがある場合はその良く似たサービスとどう違い、どこで勝っているのかを明確にしなければならない。

多少の違いがあるとしても大抵の人は自分が何かを始める時は上記の事を考えているに違いない。しかし「喜んでユーザがお金を払うもの(市場)」と「良く似たサービス(競合)」は自分で思いつくものではなく、調査が必要なものである。さて、どうやって調査すればよいだろうか?

素晴らしいアイデアは思い浮かんだものの、そのアイデアが属する業界についてあまり知識がない場合、調査をどう始めればいいか悩むところだ。特にスタートアップ企業がターゲットとする市場は非常にニッチな市場である場合も多く、大手調査会社が出すレポートなどにはないような市場であることも多い。色々なベンチャー系のイベントに出たり、インターネットでそれらしいキーワードで検索しまくるのもいいが、もっと効率のよい探し方はないのだろうか?できる限り自分がターゲットとする市場を抜け漏れなく俯瞰したいのだ。

■どんなサービスなのか

StartupsMomentumは、世界や日本のスタートアップがターゲットとする市場がどのように動いているかを一目で表すチャートを提供するサービスである。市場の動きと同時に市場に属するサービスの一覧やそれぞれのサービスがどのような状況なのかも俯瞰することができる。

メイン画面には、スタートアップがターゲットする代表的な市場が表示されており、それぞれ市場規模が大きいほど大きく描かれ、小さいほど小さく描かれている。この市場規模は、市場の中のサービスが持つユニークビジター数の総和で計算されている。また、赤色が濃くなるほど1ヶ月前に比べよりユニークビジター数が増加した事を表し、青色が濃くなるほど1ヶ月前に比べユニークビジター数がより減少した事を表す。

Markets

ある市場をクリックすると、その市場の中でさらに細かく市場をセグメントで分けた一覧が表示される。さらにクリックすると、その中のサービスがそれぞれ市場規模に応じた大きさで描かれる。

Sub markets

Companies

サービス名をクリックすると、そのサービスの詳細情報が表示される。

Company show

サービスの詳細情報は、Crunchbaseより1週間に1度自動で取得、更新されている。なお、Crunchbaseにない企業については、新規登録画面より登録可能(新規登録及び変更は、ユーザ登録が必要)。

なお、市場とサービスの関係は、Crunchbaseのタグを元に取得している。また、ユニークビジター数は、1週間に1度CompetitorsもしくはDoubleClick Ad Plannerより取得している。

■市場について

本サービスのターゲットユーザは、何か新しいビジネスアイデアはないかと日々悶々としている起業家の方や、毎日ビジネスアイデアの提案を受け投資の判断を迫られるVCの人、及びスタートアップ業界に関心を持ち今何が流行っていて何が熱いのかを知りたい人々を対象にしている。

ユニークビジター数という一面的な数字を元に市場規模の比較やサービスの成長減退を表しているが、数字を統計的に整理しているという点からある程度の信頼を置けると思われる。

なお、本サービスはマネタイズはあまり考えてないみたい。

■ここまで読んで下さった方へ

お気づきかと思いますが、実は上記のサービスは僕の頭の中のサービスで、実際にあるサービスではありません。自分があったらいいなと思って書いてみました。ひょっとしたら自分だけのニーズなのかもしれません。もし、ある程度のニーズがあるならば、作ってみようかなと思っています(ニーズがなくても自分のために簡易的なものは作るつもりですけど)。

ひょっとしたら上記のようなサービスは既にあるのかもしれませんし、逆にこんなことは事業を考える上で役に立たないのかもしれません。もし、少しでも興味があれば、リツイートなりいいね!ボタンなりはてなブックマークなりを押して頂けるとうれしいです。