■どういった問題を解決するのか
世の中には習い事というものがあり、楽器やカメラ、ワイン教室からスポーツまで様々な事を教えてくれる教室がある。スキルを持つ人はこのような教室で講師として生徒を教え、それに対する報酬をもらうわけだが、このような教室で教える講師はプロの講師やその道のプロが教えていることがほとんどであり、スキルを持っているがプロというほどの経験やスキルがない人々はこういった教室に属することは難しい。
例えプロでなくても人に教えられることというものは多いし、教えたいと思っている人は多いと思われる。このような人は、どこで教える場を持ち、生徒を集めればよいのか。
また、習い事教室で毎週毎週通わなくても得られるスキルや経験というものもある。例えば「有名な美術館の美術品をアーティストが背景などを交えながら解説してくれる」というのはどうだろう。習い事というものではないが、自分1人では得る事ができない経験であり、知識である。こういった「教えるー教えられる」の関係のニーズはほんとは至る所にあるのではないかと思う。それらをうまくマッチングさせる場所が必要だ。
■どんなサービスなのか
sidetourは、様々なスキルを持つ人々とそのスキルを教えてもらいたい人を繋ぐマーケットプレースサービスである。
スキルを持つ様々な人々は「ツアー」を企画し、sidetourに投稿する。sidetourは、その投稿にいくつかの助言をし最終的に審査が通ると、sidetour上に公開される。ツアーに興味を持った人々は、sidetour上で参加申し込みをし、お金を支払う。そして、実際のツアーに参加するという仕組み。
いわゆるソーシャルラーニングと呼ばれるサービスの1つであり、skillshareやLifeCrowdと同じカテゴリーに入るサービスだ。
sidetourは、ニューヨークに絞ってサービスを展開している。特色は教室数が少ないながらひとつひとつのクオリティが高いように見える(実際参加してないからもちろんほんとにクオリティが高いかは知らないが、見た目が非常に良い)。特に教室の写真に力を入れてる感じがする。素人がとってる写真ではないなあと感じた。恐らくここが他の類似サービスとの差別化でsidetour自体がかなり深くツアーのproduceに関与してるのではと想像できる。
↑こんなアングルでこんなボケが効いた写真撮れないでしょ普通のひとは。あとpinterestのボタンがあるのも画像を重要視してる証拠なんじゃないかと。
このようなサービスはどうしても玉石混合のクラス(ツアー)が乱立することは目に見えるし、でもそれでもよくてたくさんクラスを載せようよという方向性もあるが、厳選してほんとにいいもののみ載せるという方向性もいいなと思えた。
決済は、sitdeturでなく別サービスであるeventbriteというチケット販売サービスに飛ぶ形となっている。決済機能は他のサービスに依存し、sidetourは、ツアーの紹介とproduceに力を注いでいるということかな。もちろんその分、手数料はeventbriteに流れる。sidetourは、ツアーの掲載料は無料だが、ツアーに生徒から申し込みが入った時点でその授業料の20%を手数料として徴収している。そしてこれとは別にeventbriteの手数料も引かれる。ツアー主催者側としては他のサービスに比べ多くの手数料を取られることになるが、逆にeventbriteからの集客も得られるわけでどちらがいいかは主催者次第と思う。
↑eventbriteに飛んだ画面。eventbriteは、決済画面自体をカスタマイズでき、まるでsidetourのサイトかのようなデザインにできるってのがいい。
ソーシャルラーニングサービスは、アメリカでかなりの数が出てきていて、どうしても差別化しづらくなってきている。こうなってくるとやはり最後はデザインの差というところが成否を決めることになるのかなとsidetourを見てて思う。iPhoneが人気なのもデザインの占める割合がでかいだろうし世の中デザイン勝負ってことが多くなってきてるように思う。