2012年1月4日水曜日

「大学の授業のためのソーシャルネットワークサービス」Coursekit

このエントリーをはてなブックマークに追加

スクリーンショット 2012 01 04 11 30 20

■どういった問題を解決しようとしているのか

もう10年も前になってしまうが、僕が大学生だった頃と今の大学生とで受けている授業の内容は大きくは変わらないと思われる。だが、インターネットとソーシャルネットワークの発達で、授業の受け方は大きく変わっていくようだ。

大学の授業というのは、少なくとも僕の経験した日本の大学では大人数の生徒を前に1人の先生が黒板を使って講義する形となり、先生がしゃべり、生徒が黙ってノートを書く一方通行の講義である。先生との接触はあまりなく、授業は基本つまらなかった。

シラバスは、確かインターネット上にあったが、せいぜい授業の概要が書いてあったくらいで、実際の細かな予定などは実際授業に出ないとわからない。また、授業の内容に関する議論やわからないことなどを話す時は、一緒に授業に出た友達と話し合うのだが、仲良い友達が同じ授業に出てるとは限らず、情報交換がしづらいことも多かった。

一方先生方も、不満を持っていたはずだ。自分の授業に出ている生徒が日が経つごとに減っていき、座席の後ろに行くほど居眠りが多い。授業中質問してもレスポンスはあまりなく、生徒とのコミュニケーションはほぼない。授業がおもしろいかどうかはその先生の力量次第だが、生徒とのコミュニケーション不足は、インターネットで解決することができないだろうか?そして、生徒とコミュニケーションを取ることにより生徒自身がより授業に積極的に参加するようになり、授業自体の質があがるようなソリューションはないだろうか?

■どのようなサービスなのか

Coursekitは、大学授業のためのソーシャルネットワークサービスである。Coursekitを使う事で先生は、自分の授業の管理をインターネット上で簡単にできるようになり生徒とのコミュニケーションがインターネット上で取れる。また、生徒も自分の取っている授業の管理に加え、同じ授業を取る生徒との情報共有が可能となる。

生徒は、ログインするとまず、Facebook等でおなじみのストリームが表示される。同じ授業を取る生徒とこのストリームを通して情報を共有できる。表示できる情報は、文字情報だけでなく、動画やファイル質問形式(Quoraみたいな感じかな?)もある。

スクリーンショット 2012 01 04 12 03 58

また、自分の授業の予定をカレンダで管理することができる。

スクリーンショット 2012 01 04 12 12 01

授業を共に受けている生徒と先生の情報も見る事ができる。

スクリーンショット 2012 01 04 12 13 24

テストの点数が見れたりして、これは便利。

スクリーンショット 2012 01 04 12 15 02

そして、個人的に感じたのはすごくUIデザインが良いということ。非常にシンプルなデザインながらすごく使いやすい。全体的に良いのだが、個別で気付いた点について今後のウェブサービスを作るときに参考にしたいのでちょっと細かいけどメモっとく。

まず、ストリームの画面でストリームを見るために下にスクロールダウンしていくと、ストリームだけが動き、右側の検索メニューは動かない事。

スクリーンショット 2012 01 04 12 24 05

ストリームを検索メニューのカテゴリで絞ったりするため、使いやすい。

次にカレンダーであるイベントの詳細を表示ボタンを押すと、右側に詳細が出るという動き。

スクリーンショット 2012 01 04 12 32 51

スクリーンショット 2012 01 04 12 36 26

 

あと、ストリームが限りなく縦に長くなるような画面構成の場合、フッターを右に出すというのも悪くないと思った(以前同じようなものを作ったときにどうしようか迷ったことがある)。

スクリーンショット 2012 01 04 12 41 27

さて、次は先生の画面について。

先生の画面も生徒と同様にストリームやカレンダ、シラバス、授業に参加する生徒の一覧画面がある。テストの点数一覧画面では、全生徒のテストの点数を登録することができる。

スクリーンショット 2012 01 04 12 47 34

ここもUIがひとつ参考になって、実はこの画面中央のテストの点数表は、横に長い表となっている。こういう横に長いと通常横スクロールが必要となり、ユーザには嫌われるUIなのだが、この画面では表の部分で縦スクロールすると、横に画面が動く。こういう仕組みにすると、大きな表を用いても使いやすい画面になるんだとわかった。

スクリーンショット 2012 01 04 12 51 23

また、宿題を出すことや、生徒からの提出状況を管理したりすることもできる。

スクリーンショット 2012 01 04 12 54 20

■会社/サービス情報

USA
創業 6/10
月間ユニークビジター数 4,702
投資状況 2012/1 : $5M(Series A)
投資総額 $6M
(* CrunchBaseより取得)

■市場について

Coursekitのような、大学授業のコラボレーションツールは、結構前からあり、最大手は「BlackBoard」という有料サービスである。BlackBoardは世界的にシェアを持っており日本の大学でも導入されている事例があるようだ。CousekitもTechCrunchの記事の中でこのBlackBoardの代替サービスとして作られたと書いてある。つまり、BlackBoardのような授業の管理・コラボレーションツールをソーシャルサービス視点で作り直したということだ。日本でも「すごい時間割」というサービスが始まっておりめちゃめちゃ人気が出ている。この分野はこれから熱いのかもしれない。

↑圧倒的に強いBlackBoardからどれくらいユーザを取って来れるのか目が離せない。

Coursekitのマネタイズ方法は、今のところ明らかではないようだ。ひとまず無料で公開し、ユーザを集めることに集中することになるのだとForbsの記事には書いてある。十分なユーザがついたら広告だけでやっていけるのかもしれないし、フリーミアムな有料サービスを追加で展開していくのかもしれない。

2012年1月3日火曜日

「メールボックスの中から情報を取り、自動で家計簿を作る」slice

このエントリーをはてなブックマークに追加

スクリーンショット 2011 12 31 1 58 22

■どういった問題を解決しようとしているのか

お金は、知らないうちになくなっていく。いつも月末に貯金を見て何に使ったんだろうと思うのは僕だけではないはず。貯金をするためには無駄な出費を省く事が必要だ。そのためには当然どんな無駄な出費があるのかを知らなければならない。そう、あなたも家計簿をつける日がついにきたのだ。

家計簿をつけたことがある人は、わかると思うがあれほど面倒くさいものはない。僕の場合は毎月月末にレシートをまとめてExcelにいれることをしていたのだが、まあ3ヶ月持たなかった。あの面倒臭さをなんとかしてほしい。何もしなくても勝手に支出の記録を一覧化できないだろうか?

■どのようなサービスなのか

sliceは、メールボックスの中から買い物に関するメールのみを収集し、過去の買い物記録を一覧化してくれるサービスである。

サインアップ後、自分のメールボックスをsliceに同期するよう求められる。使用できるメールはGmailかYahoo!メールで、登録と同時に同期が始まる。同期が完了すると、以下のようにメールボックスの中で何かを購入したメールのみを拾って画面に一覧化してくれる。

スクリーンショット 2011 12 30 23 27 49

なお、日本語のメールは対応していないのか、日本のAmazonで買ったメールは拾ってくれなかった。sliceのホームページによると対応しているサービスは1000を超え、今後も増加するとのこと。

このサービスを使えば、複数のサービス(楽天とAmazonとか)で買った場合でもこのsliceさえ見れば良いことになる。また、一度登録すれば自動的に同期してくれるため、面倒くさいことをいっさいせずに家計簿が付けれることになる(全てオンラインでものを購入すればだが)。

■会社/サービス情報

USA
創業 2010
従業員 ?
月間ユニークビジター数 20,749
月間ユニークビジター増加率(昨年比) -
投資状況 2011/05 : $9.4M(Series A)
投資総額
(* CrunchBaseより取得)

■市場について

sliceは、2011/5月に940万ドルの投資を受けている。収益については明らかにされていないが、サーバ上に蓄積されるユーザ情報であることは間違いない。クレジットカード大手のVISAもMASTERはクレジットカードの購買履歴をオンライン広告のターゲッティング情報に使用している。slice上に蓄積される顧客情報もこれと同様に価値のある情報として収益源となるはずだ。

このサービスの競合優位性を考えると、恐らく1000を超えるサービスへの対応という点だろう。技術自体は、GmailとYahoo!メールのAPI使ってメールボックス内のメールを漁るだけなのでそんなに難しいことではないはずだが、1000を超えるサービスに対応し、メールフォーマットが変わるごとにプログラムを改修しという作業をしてるとしたらメンテもそれなりに大変そうだな。

ユーザのメールボックスを漁って情報を整理するようなサービスは購買情報だけに限らず色々できそうな気がしておもしろそうだと思いました。

2011年12月31日土曜日

「ウェブ上の旅行情報をまとめて横断検索できる検索サイト」uptake

このエントリーをはてなブックマークに追加

スクリーンショット 2011 12 28 15 47 49

■どういった問題を解決しようとしているのか

旅行の情報をウェブ上で検索する人は多い。ウェブ上の旅行情報は非常に多い。様々な旅行情報サイトがあり、様々なレコメンドやレビューが存在する。あまりの情報量に結局どこがよいのかわからなくなってしまうことも多い。comScore.comによると、旅行を計画する人は平均的に12の旅行に関する検索を行い、22のウェブサイトを閲覧、計画を始めてから購入に至るまで29日もかかるそうだ。

旅行者は、旅行を計画する前からある程度、どのような旅行か決まっていることも多い。例えば、家族旅行であればどこ行くかを決める前に「家族で楽しめる場所」という前提条件がつく。ならば、始めから「家族で楽しめる場所」の情報のみを効率良く見たい。

■どのようなサービスなのか

uptakeは、世の中の有名な旅行情報サイトから情報を取得し、統合した旅行情報総合検索サイトである。情報の取得元はYahoo Travel, Trip Advisorを含む1000以上のサイトから40万以上のホテルやアクティビティ情報を取得している。

これらの情報をセマンティック分析し、ユーザが知りたい情報に効率良くたどり着けるような検索エンジンを提供している。

例えば、ラスべガスに家族で行くとしよう。「家族で楽しめる」場所のランキングが欲しいところだ。uptakeでは、このようなあるテーマやアトラクションタイプを検索条件にして、その検索条件の中でのランキングを表示することができる。

スクリーンショット 2011 12 28 16 39 12

具体的なレビュー情報は、リンク先のそれぞれのオリジナルソースのサイト(Yahoo TravelやTrip Advisorなど)で見るようになっている。

上記のようなアトラクション情報だけでなく、ホテルやレストランについても同じようにランキングされており、このサイト1つで旅行に関する全ての情報を取得できる。

また、uptakeは今年ソーシャルQ&A機能をリリースしている。Google Map上の旅行したい場所をクリックすると、その場所に住む自分のFacebookでの友達が表示され、その友達にQ&Aを送信できるというものだ。他のユーザが過去に行ったQ&A情報も一覧として表示される。

スクリーンショット 2011 12 28 16 59 30

旅行する先に友達がいる場合なんて少ない気もするが、もしいた場合は確かに色々聞きたいとは思うかも。

なお、uptakeは、基本検索エンジンなので収益は恐らく広告収入のみと思われる。

■サービス/会社情報

USA
創業 2008
従業員 ?
月間ユニークビジター数 993,085
月間ユニークビジター増加率(昨年比) 11%
投資状況 2008/09 : $10M(Series B)
投資総額 $14M
(* CrunchBaseより取得)

■デモグラフィクス

* 上記は、全インターネットユーザの平均値に比べ本サービスのユーザ層がどのくらい偏っているかを示す。左にバーが伸びるほどユーザ層が平均に比べ少なく、右に伸びるほど多い事を示す。(Alexaより取得)

■市場について

旅行を計画するユーザが使う検索エンジンだが、あまりバッティングする既存サービスが思い浮かばない。結局このサイトで検索した後、Yahoo TravelやTrip Advisor, Expediaなどに飛ぶ訳で、彼らの競合ではないだろうし、検索エンジンで検索したからといって旅行計画が作られるわけではないので旅行代理店や旅行雑誌、旅行情報系サイトのユーザも減る訳ではない。

uptakeは、セマンティック分析を軸にした検索エンジンなので、ソーシャルネットワークのサービスにあるような登録ユーザの確保による競合優位性みたいなものがなく、競合優位性はブランド力とセマンティック分析の技術力になるのだろう。

時代は、なにかとソーシャルグラフであり、友達からのリコメンドを元にしたり自分の趣向を元にパーソナライズされた解析が流行る中、こういったセマンティック分析の検索エンジンがシェアを伸ばしてるということは案外まだまだこういう機械的な解析で新しいサービスを提供できる分野があるんじゃないかと思いました。

2011年12月30日金曜日

「オフラインでも見れる自分だけの旅行ガイドが作れる」tourist eye

このエントリーをはてなブックマークに追加

スクリーンショット 2011 12 29 16 05 26

■どういった問題を解決しようとしているのか

海外旅行に行く際に必ず必要なのが現地を回るための地図や現地情報が載っているガイド本だろう。近年のモバイル端末の普及に伴い、この地図やガイド本もいずれインターネットサービスに置き換わってしかるべきだと思われる。もちろん今でもモバイル端末さえ持っていけば、現地でGoogle Mapを開き、現地情報が載ってるサイトを巡れるので何も問題はないはずだ。いや実は大きな問題があった。海外では自由にインターネットが使えないのだ。海外ローミングサービスは、非常に高くつく。中国に出張に行き、自由に携帯でメール打ってたら1ヶ月で10万円いっちゃいましたなんてざらに聞く話だ。じゃあ、旅行ガイドを電子書籍で買ってiPadとかで見るという案もあるが、やはりせっかくインターネットなのだ、自分用にパーソナライズされた旅行ガイドが欲しい。自分の行く場所、興味のある場所のみをピックアップしわかりやすく表示してほしいのだ。

■どのようなサービスなのか

tourist eyeは、旅行者にそれぞれ個人個人が計画した旅行の行程表(パーソナライズされたツアーガイド)を作成することができ、それをモバイル端末から見る事ができるサービスである。最大の特長は、一旦作ってしまったツアーガイドは旅行中、全てオフラインで参照可能だということだ。

まず、FacebookかTwitterアカウントでtourist eyeにログインする。そして、旅行の目的地を入力。すると自分のツアーガイドを作る画面に移る。

スクリーンショット 2011 12 29 16 34 19

上記のように1日目2日目と、タイムラインで行く場所をドラッグアンドドロップしていくだけ。すると、中央には自動的に目的地から目的地に行くための地図とその行き方が示される。それぞれの場所の詳細な情報も見る事ができる。

スクリーンショット 2011 12 29 16 31 49

登録されていない場所に行くならば、新規で作成することも可能。

スクリーンショット 2011 12 29 16 43 55

こうやって、どこからどこに行き、この町では、このレストランにいって、このホテルに泊まりみたいな行程表が簡単に作れる。

そして、これをモバイル端末にダウンロードすると、旅先でオフラインで参照できるということだ。

■サービス/企業情報

USA
創業 2010/02
従業員 4
月間ユニークビジター数 443
月間ユニークビジター増加率(昨年比) 240%
投資状況 2010/02 : (Seed)
(* CrunchBaseより取得)

■市場について

tourist eyeは、サービスを開始したばかりであり、まだ明確なマネタイズプランはないように見える。旅行業界に位置するサービスであることには間違いないが、どのあたりからお金を頂くのかは今後決めていくのだと思われる。tourist eyeのサイトによると最終的には世界のあらゆる旅行情報をサイトに登録し、旅行代理店やツアー会社にこのサービスをオファーしたいと書いてあった。

このサービスも1つ既存の旅行スタイルを変える可能性があるサービスだと感じました。

2011年12月29日木曜日

「チェックインするとポイントがたまるロイヤルティプログラム提供サービス」Top guest

このエントリーをはてなブックマークに追加

スクリーンショット 2011 12 28 23 30 14

■どういった問題を解決しようとしているのか

ソーシャルネットワークサービスがウェブを席巻する中、企業はソーシャルネットワークを使ったマーケティングを積極的にやるようになってきている。Facebookでは頻繁に大企業が作った軽いゲームアプリがニュースフィードに乗っかってくるし(例えばついこないだNISSAN ドリームスクラッチが来てました)、Twitterでは企業のアカウントが日々PR情報をつぶやいている。

これらソーシャルネットワークを有効活用しなければいけないのは旅行関連業界(ホテル業界、航空業界)も同じである。彼らのお客さんは、旅行する人々なので、なんとかして旅行で使ってもらっていい評判やリコメンデーションをソーシャルネットワーク上で伝播してもらいたい。

旅行している人が、インターネット上に旅行に関することを載せる場合、例えばブログなどに旅日記の形で詳細に旅の内容を書くことが考えられる。だが、最近多いのはFacebookやTwitter上で「場所」と「写真」をのせて一言二言添えるだけの投稿だ。例えば、「〜ホテルのバルコニーからの夜景、すげえ」という文と共に夜景の写真とホテルの位置情報を貼ったつぶやきとか、「今からフランス行ってきます!」みたいな文と共に飛行機の写真を載せたりとか。こういったつぶやきや投稿は気軽に書けるし、また気軽に「いいね!」と言えるので伝播も早いに違いない。そしてこれは間違いなく威力のある広告なのだ。

このソーシャルネットワーク上に投稿される短い投稿に自分のホテルや飛行機を載せてもらうにはどうすればよいか?

■どのようなサービスなのか

Top guestは、位置情報を投稿するソーシャルサービスを使って、指定の場所で「チェックイン」すると、インセンティブプログラム(ポイントがたまったり、商品がもらえたり)を受けられるサービスだ。

インセンティブプログラムの中には、例えばヒルトン系列のホテルで使えるポイントがたまるHilton HHonorsや、Virgin America航空のマイルがたまるVirgin America Elevateなど10種類が用意されている。それぞれのインセンティブプログラムに申し込んだら、FacebookかFoursquare, Twitter, Instagramのいずれかで指定の場所にチェックインする。これでポイントがたまっていくのだ。

チェックインすべき指定の場所とは例えばどんなとこがあるのかというと、なんと日本にもあるじゃないか。

スクリーンショット 2011 12 29 1 02 56

企業側としても少ない出費(ポイントの支出)でInstagramの写真付きでばずってもらえたりすれば、十分な元が取れるということなのだろう。

■サービス/会社情報

USA
創業 2010/06
従業員 5
月間ユニークビジター数 1,662
月間ユニークビジター増加率(昨年比) -81%
投資状況 2010/11 : $2M(Series A)
投資総額
(* CrunchBaseより取得)

VentureBeatの記事にある通り、Top guestは、2011/12月にezRez Softwareに買収された。サービスローンチからわずか18ヶ月という異例の早さでのExitで投資家たちもウマウマだったんじゃなかろうか。

■市場について

オンラインでロイヤルティプログラムを提供するサービスは最近アメリカでがんがんでてきている。デジタルロイヤルティカード(例えば10個ドリンク買ったら1個ただになるカードとか)をモバイルアプリとして提供するPunchdというスタートアップは、2011年(何月かちょっとわからなかった)に始まって2011年7月にはGoogleに買収されちゃうというすごい速さでゴールしちゃってるし、CrowdTwistも2011/9月に$600万ドルの資金調達に成功している。

そんな中Top guestは、位置情報アプリを使ったロイヤルティプログラムの提供に特化してExitを勝ち取った。同じようなことはこのTop guestが使うアプリであるFoursquareもやっている。Foursquareという大きなネームバリューを持つサービスが存在するにも関わらず競合としてうまくExitまで持っていけたのは、Foursquareがちんたらしてるのか、Foursquareが市場を取りきれないほどに市場が広いのか、それともTop guestがうまく売り抜けただけなのか、興味深いところだ。

新しいサービスを考えるとき、位置情報アプリは、Facebook, TwitterにFoursquareと並びこれに対抗するサービスを作るのは厳しい。だが、Top guestのようなサービスならば日本でもまだまだサービス展開の余地があるのではと思う。特に日本のホテルや旅館、及び飲食店などローカルなお客は、海外のサービスが手を出しづらいはずだ。先に提携先を固めてしまえばいいサービスができそうな気がする。

 

 

2011年12月28日水曜日

「インターネット上の旅行情報を元に旅行プランを作ってくれるサービス」mygola

このエントリーをはてなブックマークに追加

スクリーンショット 2011 12 27 22 10 22

■どういった問題を解決しようとしているのか

自分で全ての旅行を計画したり、航空機のチケット以外は行き当たりばったりで旅行できる少数の人を除いて、多くの人々は旅行の際に旅行代理店を使う。旅行代理店は、旅行者が行きたい場所に基づいてパッケージプランを選んでくれ、旅行者は航空機のチケットや泊まる先、観光に必要な交通手段などを気にする事なく、場合によってはガイド付きの観光を楽しめる。

しかし、旅行代理店は本当に必要なのだろうか?旅行代理店は必ずしも旅行者のことを考え細かなプランを練ってくれるわけではない。当たり前だがパッケージとして売る以上、個人個人に合わせるわけでなくある程度画一的な旅行になってしまうのは仕方がない。また、パッケージとしてある程度のボリュームで予約をするため安い料金でいける場合もあるが旅行代理店として利益を出す以上、ある程度マージンを取った料金設定にならざるを得ない。本当はもっと安く旅行できるのではないか?

インターネットが発達した現在、旅行情報はネット上に豊富に存在する。旅行代理店だからわかる情報というのは少なくなってきているはずで、逆に旅行代理店はこのネット上にある最新の実体験に基づく様々な情報を収集した上で旅行者にプランを提案できているのだろうか?

またこの問いかけは、日本でいう「るるぶ」や「まっぷる」といった旅行雑誌にも投げかけられる。僕の個人的な体験でもタイに行った際にその年の最新のるるぶに載っていた食べ物街が丸ごと更地になってることがあってびっくりしたことがある。彼らは最新の情報を反映した旅行情報をどこまで旅行者に提案できているだろうか?

■どのようなサービスなのか

mygolaは、旅行を予定している人が行きたい場所、したいことを投稿すると、それに対しインターネット上のあらゆる旅行情報を元にスタッフがオススメのプランを出してくれるサービスである。

まずユーザは、TwitterかFacebookアカウントでログインする。

ログイン後にユーザページに行き、そこから自分が旅行予定の場所について質問を投稿する事ができる。

スクリーンショット 2011 12 28 8 38 45

なにげに日本語が対応しててびっくり。日本語で質問したら対応できるんかいな。

スクリーンショット 2011 12 28 8 41 16

質問内容はタグ形式で選ぶ形になる。で、質問に答えると最後にそれを質問文にしてくれる。なお、質問に対しては24時間以内に回答をしてくれるそうだ。また、チケットの手配・予約なども代行してくれるとのこと。

スクリーンショット 2011 12 28 8 43 11

また、過去に他の人が質問し、それに対してスタッフが答えた内容も閲覧できる。回答のクオリティは高く、普通に旅行したくなる。例えば、日本旅行をした人への回答はこんな感じ。

スクリーンショット 2011 12 28 8 46 47

スクリーンショット 2011 12 28 8 47 15

浅草。きれいな写真。

スクリーンショット 2011 12 28 8 50 04

やはり相撲ははずせないと。

スクリーンショット 2011 12 28 8 52 23

ショッピングは原宿で。

このような写真が7、8枚と共に詳しい解説が出ている。写真の右下にSourceというリンクがついてることでわかるように、これらの写真は全てインターネット上にある情報を集めてきている。回答の中の解説は恐らくスタッフが書いたものだが、これもまたインターネット上の情報からまとめたものだと思われる。

また、このサービスの最大の特長は「バイアスのかかっていない情報」だということだ。あらゆる旅行雑誌やパッケージ旅行は、何らかのバイアスがかかっていることは想像に難くない。例えば海外ツアーの観光バスが必ず立ち寄るお土産屋さんは当然その地域で一番安いからでも良いものを売ってるからでもなく、旅行会社にペイバックがあるからだろう。mygolaのスタッフは、インターネット上の純粋な旅行者のブログや中立の立場にたつサイトからのみ情報を集めている(とサイトに書いてある)。

料金体系は、最初の1つ目の質問は無料(正確にはpay us any amount)。$30払うと、1回の旅行に関して何度質問しても良い。また、$99払うと、1年間旅行回数に関わらず何回でも質問してもよい。

■サービス/企業データ

USA
創業 2009/10
従業員 ?
月間ユニークビジター数 2,580
月間ユニークビジター増加率(昨年比) 1463%
投資状況 2011/12 : $1M(Seed)
投資総額 $1.16M
(* CrunchBaseより取得)

2011/11月の月間ユニークビジター数は、2580人と少ないながら、12月に100万ドルの投資を受けている。投資元は500 StartupsやBlumberg Capitalと有名どころなのでそれだけ将来性があるということなのだろう。

■デモグラフィクス

* 上記は、全インターネットユーザの平均値に比べ本サービスのユーザ層がどのくらい偏っているかを示す。左にバーが伸びるほどユーザ層が平均に比べ少なく、右に伸びるほど多い事を示す。(Alexaより取得)

ユーザは、20代30代が主要ユーザで、女性が多いようだ。そして、みんなあいかわらず仕事さぼって。。。

■市場について

このサービスの市場は大きく捉えると「旅行者の旅行を助ける業界」に入るので旅行代理店やるるぶなどの旅行雑誌、旅行情報関連のウェブサイトなどの既存プレイヤーと競合する市場になるだろう。しかし、僕は恐らく旅行代理店の顧客が大きくこのサービスに移ることはないと思っている。

パッケージ旅行の魅力は旅行スケジュールを含めて何もかも全てを決めてもらえることの他に、例えば海外旅行などで何か不測の事態があった場合に対応してもらえるという安心感がある。以前ベトナムでパスポートをなくした友達が現地で旅行代理店の方に手取り足取りお手伝いしてもらった話を聞いたりすると、やはりパッケージ旅行の需要はなくなることはないと思える。

本サービスは、このような客より、「るるぶ」を片手に自由に旅行するような人々にこそ使われるべきものだろう。恐らくその手に持っている「るるぶ」がiPadになりその画面にあるのがこのサービスになるのだ。画一的に作られた旅行雑誌より、自分にあった場所を最新の情報に基づいて紹介してくれ、疑問があれば都度都度回答をしてくれる情報源のほうが役に立つのは明らかだ。

今の世界のサービスの流れは「インタラクティブ化」である。SNSに始まりあらゆるサービスで一方的な情報の伝達から相互に情報がやり取りされるような形に置き換わってきている。このサービスは、旅行雑誌や旅行情報サイトのインタラクティブ化を実現するサービスだと思う。

2011年12月27日火曜日

「無料で様々な専門医に相談ができる」Health Tap

このエントリーをはてなブックマークに追加

スクリーンショット 2011 12 27 0 28 53

■どういった問題を解決しようとしているのか

つい最近まで病気になった時にできることは、病院に行きお医者さんに診療してもらい、そのお医者さんの言う通りに治療を受けること以外になかった。しかしインターネットが進むにつれ、病気の情報やその病気をどのように治すべきかといった情報が簡単に手に入るようになり病院の医者以外からの情報源が増えつつある。

しかし、我々はインターネットの病気や健康に関する情報を信用しているのかというと、実はそれほど信用していない(インターネットユーザの半数以上がオンラインの情報が何も役に立たないと感じている調査結果がここに)。やはり、信頼できる医者や専門家に相談した結果得られる情報こそ信用できるものであるというのが大半の人のコンセンサスではないだろうか。

自分の体に異変を感じたらすぐに医者に相談したいし、大事の病気であればできれば複数の医者からオピニオンをもらいたい。しかし病院にわざわざ行き、1つの病院で1人のある医者に見てもらうことしかできないのが大半の人の現実だ。

また、社会的にも今医療制度は問題が山積みの分野である。国民健康保険の国の負担は今後高齢化に伴い年々増加していく。しかしその負担に耐えれる税収入は今後見込めず、今後医療制度は国民の負担が増える形で推移していくことに間違いない。医者とのやり取りという従来の形以外に病気を治療したり、未然に防いだりする方法はないのだろうか。

■どのようなサービスなのか

Health Tapは、無料でサービスに登録された様々な専門の医者から意見を聞けるサービスだ。

まず、ユーザはサービスにサインアップすると簡単な質問をされる。

スクリーンショット 2011 12 27 14 22 53

質問に答え終わると、ユーザトップ画面に行く。この画面では、先ほど答えた自分の関心のある病気に関して、他のユーザと医者のやり取りがフィードされている。

スクリーンショット 2011 12 27 14 26 06

使い方は簡単で、ただテキストボックスに自分の健康に関する質問を書くだけ。書くとこれがHealth Tap上に登録され、医者からの返答が来る。もちろんこちらのユーザ情報は、ニックネーム以外公表されることはない。逆に医者のプロフィールは細かく見る事ができる。現在トップランクのお医者さんは15468の投稿をしていて、93人からありがとうと言われ、368のAgreeをもらってると。これはお医者さんにとってすごい宣伝にならないだろうか?

スクリーンショット 2011 12 27 14 32 36

思うに今まで病院を探すときその病院にいる医者の能力や評判を気にしていくことは一般的に少なかったと思う(もちろん重大な病気の場合は気にするのかもしれないが)。また、気にするとしてもちゃんとした評判を確認できるサービスはなかった。これは、患者にはもちろんだが医者側から見てもいいことではない。人間誰しもそうだがインセンティブがないことについては積極的に改善しようとしないものだ。評価が適切に広まらないシステムの中ではサービスの質は落ちて当然だと思う。多くの患者に適切なアドバイスを与えることができる医者が正当に評価され、患者が集まるというシステムができれば、それは患者にとっても医者にとってもwin-winなことだと思う。

■企業/サービスデータ

USA
創業 2010/07
従業員
月間ユニークビジター数 8,074
月間ユニークビジター増加率(昨年比) 936%
投資状況 2011/12 : $11.5M(Series A)
投資総額 $13.9M

 

2011/11までのユニークビジター数データは以下の通り。2010年7月ローンチと新しいサービスで、現在8000人を超えるUVを持っている。

Healthtap com uv 1y

■デモグラフィクス

* 上記は、全インターネットユーザの平均値に比べ本サービスのユーザ層がどのくらい偏っているかを示す。左にバーが伸びるほどユーザ層が平均に比べ少なく、右に伸びるほど多い事を示す。

他のヘルスケアサイトと大きく違う点が1つある。ユーザの年齢層として25-34歳が多いこと。45-65歳以上のユーザが少ない事。これは明らかに本当にこのサービスを必要とするユーザにリーチしていない。恐らくサービスがローンチして間もないためまだ一般のユーザよりスタートアップ界隈の人たちのアクセスが多いのではないかと思う。このグラフが下記のようなグラフになるとHealthTapが本当に機能してきていると実感できるようになるだろう。

(Healthlineのデモグラフィクス)

■ターゲット市場について

Health Tapは、大きく見ればヘルスケアのウェブサービス市場に属する事になる。ターゲットのユーザもメインは40-60代くらいの健康に悩みをもつようになる人々だ。この戦場には、古くから多くの競合がひしめきあっている。

健康情報に関する記事を集めるサイトはHealthlineやHealthCentralと月間ユニークビジター数で200万人を超えるモンスターサイトが多い。また以前紹介したDairy Strengthのように医者の相談を受ける機能を持っているサイトもある。そういう意味でHealth Tapはこの市場の再セグメント化をしようとしていると言える。

Forbsに「The new era of interactive health」という記事があった。時代は、モバイルの時代に入りソーシャルサービスの時代にパーソナライゼーションの時代に入った。以前は興味を示さなかった医者もウェブの世界に積極的に参加し始めている。今がまさに「インテラクティブな健康管理」を実現するときだと。

インテラクティブな健康管理とは具体的には以下のようなことだ。

・健康改善のためのモバイルアプリやウェブアプリが素早く簡単にいつでもどこでもアクセスできること。

・パーソナライゼーションツールが安全に、個人個人に合わせたすぐに使用可能な健康情報を提供すること。

・信頼のおける医者たちとその知識にオンライン、オフライン問わず24時間365日アクセス可能であること、そして毎日継続的なケアができること。

・患者が病気に対するインフォームドデシジョン(詳細を説明された上での決断)ができるように、患者が経験のある個人個人に合ったサポートグループとコミュニケーションできる基盤をインテラクティブテクノロジーが提供できること。

・シンプルなツールでゲームのようなインテラクションを提供することで人々が自分の健康の改善に関与し続けるよう促すこと。

Health Tapは、このインテラクティブな健康管理に焦点を絞り、強調することで大きく成長しようとしているサービスだと思う。